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 広告料と引き換えに家庭のユーザにパソコンを無料配布するビジネス・モデルを実践している米Free-PC Inc.のSteve Chadima氏(Vice President of Marketing)に,事業の現状を聞いた。



――パソコンの配布状況は。

Chadima氏 1999年6月に全米の登録者リストから選んだ1万人に配った。ただし,ビジネスとしてはまだ試行段階だ。3カ月くらい様子を見てから台数を増やす。

――収入はどうやって得るのか。

Chadima氏 広告だ。広告主は個々のユーザの年齢や嗜好にあわせて広告を出せる。広告のデータはハード・ディスク装置に入っている。たとえばベビー・フードの広告主は,「30代の女性に限定」といった具合にユーザを選択できる。

――広告料はいくらか。

Chadima氏 広告主によって異なるが,画面に表示する「バナー広告」の場合,1000ユーザの画面に表示するために1回35米ドルをもらう。一人当たりわずか3.5セントだ。このほかバナー広告をクリックして広告主のWebサイトにアクセスした場合や,Webサイトでユーザが商品を購入した場合に手数料が入る仕組みになっている。手数料は,おもちゃのWeb流通を手がける米eToys,Inc.が購入価格の25%ともっとも高い。amazon.com社で5%~15%くらい。平均すると10%~15%程度だ。このほか,画面上にアイコンとして表示する「Direct Access Button」も収入源になる。このアイコンをクリックすると,契約したWebサイトにアクセスするようになっている。

――インターネットにはどれくらいの頻度でアクセスすると想定しているのか。

Chadima氏 カリフォルニア州パサディナで100ユーザを対象に試験をしたところ,ほぼ全員が毎日アクセスすることがわかった。

――ユーザが画面設定を変えて広告を表示できないようにしたり,アイコンを消去したらどうするのか。

Chadima氏 契約上,画面の表示を変えてはいけないことになっている。もし変えたことがわかったら,あらかじめ控えてあるユーザのクレジット・カード番号を使って,料金を徴収する。

――ユーザが画面を変えたことはどうやって知るのか。

Chadima氏 ハード・ディスク装置に利用状況をデータとして蓄えるようになっている。このデータを定期的に外部のサーバがチェックする仕組みだ。たとえユーザがハード・ディスク装置をフォーマットしたとしても,必要なデータが消えているのでわかる。

――何台のパソコンを配れば事業として成り立つと見ているのか。

Chadima氏 1万台ではもうからないのは確かだ。2~3年,あるいはもっとかかるかもしれないが,少なくとも100万台は配りたい。同様なビジネス・モデルを描く会社はほかにもあるが,インターネットの接続料金は別で,しかも複数年契約しなければならないところがほとんどだ。本当の「Free PC」と言えるのはうちだけだろう。

――現在,何人の従業員が働いているのか。

Chadima氏 3カ月前は二人だったが,いまでは35人だ。これからはもっと増やす。顧客サービスに人手が必要になるからだ。

――なぜ配布するパソコンとしてCompaq社の機種を選んだのか。

Chadima氏 「Free-PC」を知っている人はいない。ユーザの信頼を得るには無名のブランドでは頼りない。だから家庭用パソコンとして人気のあるCompaqブランドを選んだ。

――事業を日本に広げる予定は。

Chadima氏 いまのところは具体的にはない。ただし,複数の日本企業から問い合わせがあるのは事実だ。それがパソコン・メーカかどうかは言えない。ともかく,時期がくれば世界中に展開したいと思っている。