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 三洋電機は,測定に使うヘッド部分を手で持って対象物の回りを動かすだけで3次元の形状データを取り込める3次元スキャナ「フリースキャン方式3Dスキャナ」を開発した。従来は数百万円以上かかっていたスキャナ・システムを100万円程度と安価にでき,操作なども簡単だという。まだ製品化の具体的な予定は決まっていないが,店頭で顧客の足の形状をスキャンし,ぴったり合った靴を作るシステムや,キャラクタ人形のCGモデル作成などへの応用を見込んでいる。

 3次元スキャナとしては従来,プローブ(探針)を被測定物に接触させてなぞりながら形状データを取得する接触式や,固定ヘッドから発するレーザ光でターンテーブル上を回転する物体表面を走査する方式,CCD型固体撮像素子で物体を撮影して背景との違いから物体周囲の形状を切り出す方式,モアレ・パターンを使う方法など,多くの方法が提案されている。しかし,対象物に凹凸があって固定ヘッドから見えない部分は測定できない,測定するときに対象物をターンテーブル上に固定する必要がある(人の体の一部などは計測しにくい),高価であるなど,それぞれ一長一短があった。

 そこで同社は,固定式と移動式を組み合わせた2段構えの測定システムを考案した。システムは,手で持って操作できる小型の測定ヘッド,固定してあるステレオ・カメラ,パソコンなどの制御部で構成する。

 測定ヘッドには,スリット状のレーザ光を対象物に当てながら3次元形状を測定(いわゆる「光切断法」)する機構が組み込んである。測定ヘッドの上部には,複数のLEDが配置してあり,この光をステレオ・カメラでとらえることで,固定ステレオ・カメラから見たときの測定ヘッドの3次元的な位置を特定できるようになっている。すなわち,測定ヘッドから対象物をみたときの3次元的な座標(ローカル座標)を,固定ステレオ・カメラと測定ヘッドの位置関係をつかむことでワールド座標系に変換できる。測定ヘッドを動かしながら対象物をさまざまな側面から測定した結果をパソコンなどに転送し,ワールド座標系上で合成することで,対象物の全体像を3次元データとして取り出すことができる。