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  住友電気工業が,ZnSe系材料を使った白色発光ダイオード(LED:light emitting diode)を開発した。1999年秋からサンプル出荷を始め,1999年内には量産を開始する。輝度や寿命などについては「現在測定中」(同社の広報担当)という。価格は,日亜化学工業などの先行メーカ品に比べて,同等もしくはそれ以下に設定する方針。まずは,液晶パネル用バックライトに向ける。将来は,白熱電球や蛍光灯などの置き換えも視野に入れている。

日亜の特許には一切抵触しない  

 

白色LEDは,すでに日亜化学工業が1996年に製品化している。この白色LEDはGaN系青色LEDのチップ表面に,YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の蛍光体を塗布することで実現している。この蛍光体は,青色光を黄色光に変換する。青色LEDが発する青色光と,蛍光体で変換された黄色光が混じり合うことで白色に見える。

  住友電工が開発した白色LEDは,構造が異なる。ZnSe材料を使って製造した青色LEDの素子内に,黄色に発光する層を設ける。この層は青色光によって励起され,黄色いフォトルミネセンス(PL:photoluminescence)光を発する。この黄色光と青色LEDが発する青色光が混ざり合うことで白色に見える。フォトルミネセンス光を発する層は組成を変えることで,黄色~赤色の光を発する。このため,白色LEDだけでなく,ピンク色などのLEDも可能という。

  日亜化学工業では,青色LEDに関する特許のほか,青色LEDにYAG系蛍光体組み合わせて白色光を得るという特許を所有している。住友電工が今回開発した白色LEDは,日亜製と構造が異なるため,「日亜の特許には一切,抵触しないと考えている」(同社の広報担当)という。(山下勝己)