PR

 三洋電機と米Eastman Kodak Co.は,アクティブ・マトリクス方式のフルカラー有機EL(electroluminescence)パネルの開発などに関する提携契約を結んだ。三洋電機はおもに,有機ELパネルに向けた低温プロセスで作製する多結晶Si TFTの開発と,パネルの製造技術開発を担当する。Kodak社は,有機EL材料の開発を受け持つ。製造/販売は三洋電機が行なう。

有機ELが液晶に取って代わる

 製品化の開始時期は2001年を予定している。まずはディジタル・スチル・カメラや,自動車用ナビゲーション装置などに向けた小型ディスプレイを製造する。その後,徐々にパネル寸法を大型化する予定。このほか単純マトリクス方式の有機ELパネルの製造も計画している。このパネルについては2000年の半ばから出荷を始める。   現在三洋電機は,こうした小型パネル市場に向けて低温多結晶Si TFTを使うカラー液晶パネルを生産している。しかしパネル価格が急落しているため,事業の採算が合わなくなっているようだ。こうした理由から,輝度が高く,視野角が広く,消費電力が小さいアクティブ・マトリクス方式有機ELパネルを投入し,パネル単価を高めることをねらう。「低温多結晶Si TFTパネルは,徐々に有機ELパネルに置き換わる」(三洋電機 代表取締役社長の近藤定男氏)と見ている。

投資額は100億円以下

 三洋電機では,すでに3インチ型のアクティブ・マトリクス方式のカラー有機ELパネルを試作している。画面輝度は150cd/m2。カラー表示の手法に関しては赤,緑,青に発光する有機層を,それぞれ独立に形成する手法を採用した。出光興産などが採用した,青色に発光する有機層を敷き詰め色変換層を使って赤色と緑色の発光を得るCCM(color change method)は,「高い輝度を得にくいため,採用しなかった」(同社 LCD事業部 事業部長の米田清氏)。

  寿命に関しては,青色と緑色に発光する有機材料は数万時間と長く,実用化できる段階にある。しかし赤色は数千時間と短い。「赤色の長寿命化については,現在Kodak社が開発に取り組んでいる。1999年中には1万時間は達成できるという報告を受けている」(米田氏)。

  量産は,岐阜工場で行なう。「低温多結晶Si TFT液晶パネルの量産ラインを流用できる。このため投資額は100億円を超えない」(近藤氏)という。 (山下)