日本電子工業振興協会(電子協,本部:東京都港区)は99年8月5日,国内パソコンメーカーの99年度第1四半期(99年4~6月期)のパソコン出荷実績を発表した。国内出荷は台数が200万台を超え,第1四半期としては過去最高を記録した。金額ベースでも前年度に比べ約3割伸びた。
電子協の発表によれば,国内出荷台数は203万2000台。前年同期の147万3000台に比べると38%増で,第1四半期の過去最高を記録した97年度(170万9000台)も大きく上回った。金額ベースでも同28%増の4288億円。台数ベースは3四半期連続,金額ベースは2四半期連続の2ケタ増となった。
個人向け市場が,女性ユーザー層の拡大などで依然成長を続けていることに加えて,企業向け市場も「パソコン減税」や2000年問題対策などで,「20%前後の伸び」(電子協)を果たしたことが,好調な実績につながった。
特にこれまでノート型に押され気味だったデスクトップ型が,台数ベースで前年同期比42%増となり,伸び率でノート型(同34%増)を上回った。デスクトップ型の伸びがノート型の伸びを上回ったのは3年ぶり。「液晶モニターのデスクトップ機が普及した影響が大きい。これまで省スペースというとノート型パソコンだったが,デスクトップでも実現できるようになったことが大きい」(電子協パーソナルコンピュータ業務委員会の松尾好洋委員長・富士通パーソナルビジネス本部副本部長)という。
電子協は年度当初,前年度比6%増の800万台という99年度見通しを発表している。第1四半期の伸びはこれをはるかに上回った。「通期見通しの達成はこれで確実になった」(松尾委員長)という見方も出ているものの,通期見通しを修正するかどうかについては,第2四半期の結果を見て判断する方針という。(松尾 康徳=ニュースセンター)