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 米Synopsys, Inc.は,C言語入力のシステム設計/検証ツール「CoCentric System Studio」を発売した(リリース文)。同社はC言語設計市場に参入するに当たり,まず,言語から取り組んだ。すなわち昨年9月に,C言語をハードウエア設計に適用するための拡張手法として,C++クラス・ライブラリ「SystemC」の標準化に取り組んできた(EDA Online関連記事)。そして,今回,具体的なツールの第1弾を発表した。

 CoCentric System Studioは,同社のDSP開発ツール「COSSAP」(日本シノプシス関連ページ)を大幅に拡張したもの。主な拡張点は二つ。まず,COSSAPではデータフローしか扱えなかったが,CoCentric System Studioでは,データフローと制御フローの両方を扱えるようにした。すなわち,データパスとコントローラの両方に対応できるようになったことで,DSPだけでなく,システムLSI全般に対応可能になった。

 また二つ目の改良点は,シミュレーション向けに出力するファイルの最適化機能を付けたこと。従来は,フロー中の各ノードに相当する処理の記述をひとまとめにするだけだった。今回は,処理の内容を見た上で,シミュレーション時間が短くなるように,最適化が自動的に行なわれる。この最適化は,C言語およびC++,SystemCの一部,で記述した,ノードに対して動作する。ノードの記述には,このほかにVHDLやVerilog-HDLが使えるが,ブラック・ボックスとして扱われ,シミュレーション時間最適化のための処理は施されない。

 なお,CoCentric System Studioでは,変数のデータ型と処理内容は別々に記述できるため,作成したモデルの再利用性が高まるという。たとえば,「設計者は最初,すべての処理を浮動小数点で扱う傾向がある。設計を詳細化していく段階で,それを固定小数点処理に置き換えていく。こうしたフローでは,データ型と処理内容の分離は都合が良い」(同社Vice President & General Manager, System Level DesignのJoachim Kunkel氏)。

 CoCentric System Studioは,シミュレーションに最適化したC++ファイルを作成し,内蔵のシミュレータ(Hybrid Simulator)で検証ができることに加え,後工程の設計向けにシステム(チップ)全体のVHDL記述やVerilog-HDL記述を出力することができる。近い将来,SystemCの記述も出力できるようになるという。CoCentric System Studioの限定リリース版は即日出荷。正式版は2000年6月に出荷の予定。

従来のCOSSAPはデータ(図中の四角のボックス)・フローしか扱えなかった。 今回の製品は,FSM(有限状態マシン)といった制御(図中の●)も扱える。
従来のCOSSAPはデータ(図中の四角のボックス)・フローしか扱えなかった。 今回の製品は,FSM(有限状態マシン)といった制御(図中の●)も扱える。
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