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 松下電器産業は,無線モデムを採用したノート型パソコン「レッツノート CF-A1R」を9月10日に発売する(関連記事参照)。CF-A1Rは,パソコン本体とモデムを無線で接続できるのが特徴。付属のモデムを電話回線の側に設置すれば,パソコンの設置場所を自由に選べる。屋内の配線の煩わしさもない。

 従来から無線モデムはあったが,パソコン本体に付属する例は,Windowsパソコンでは初めて。ノート型パソコンのユーザーのニーズや開発背景などを,パナソニックコンピューターカンパニーのモバイルコンピュータ事業センター所長の米山不器氏に聞いた。


問: ノート型パソコンを開発する側として,現在のモバイル・ユーザーをどう捉えていますか?

米山氏:モバイル・パソコンの利用シーンが屋外から屋内へ移って来て,"家庭内モバイル"のニーズが高まってきました。
 従来のモバイル・ユーザーは,仕事でパソコンを持ち運び,外出先で使用するといったユーザーが中心でした。彼らが重視していた要素は,軽さ,バッテリー,性能などでした。当社も,こういったユーザーを視野に入れてレッツノートの商品開発をしてきました。
 これに対して,98年から,B5サイズのモバイル・パソコンを家庭で使用するユーザーが増えました。必ずしも外出しない,新しいユーザー層です。家庭で使うのに,なぜ,モバイル・パソコンを選ぶのか。それは,デスクトップ機より省スペースだし,見た目もスリムでかっこいい。部屋から部屋へ移動にも手軽だからです。
 こうした"家庭内モバイル"のユーザーにとっては,従来のユーザーが気にしていたバッテリーや軽さよりもむしろ,インターネットの接続性が重要です。 簡単にインターネットにつなぎたいという要望が高いです。


問: ワイヤレス・モデムを採用した理由は?

米山氏:電話回線は廊下にあるけど,部屋のこたつでインターネットを楽しみたい,という場合,従来機では,長いモジュラー・ケーブルを用意して,つなぐしかありませんでした。しかし,これが家庭内モバイルの利便性を阻害していました。
 内蔵モデムと電話回線を接続しているケーブルがいつもぶら下がっていますから,ケーブルがのびる範囲でしか移動できないし,ケーブルに足を引っかける恐れもあります。ケーブルをインターネットに接続するたびにつなぐのもおっくうです。
 こうした有線の煩わしさを解決するために,ワイヤレス・モデムを採用したのです。  ちょうど,Apple Computerの「iBook」もワイヤレス機器を採用しましたね。ワイヤレス通信機器の普及に,拍車がかかると期待しています。


問: モバイル・パソコンは「家庭で使うネット端末」という位置づけに変わりつつあるわけですね。

米山氏:ワイヤレス・モデムの採用など通信機能を強化したことで「ネット端末」といった側面が強いですが,今後は,AV機器との接続性も重視していきます。家庭の中で利用してもらうには,インターネットだけでなく,AVを手軽に楽しめるのも重要です。
 今回は,IEEE1394端子を本体に搭載しました。デジタル・ビデオ・カメラを接続できます。取り込んだ画像を電子メールで送るなど,AV機器をコミュニケーションの素材として利用できます。画像だけでなく,音声の利用も視野に入れています。将来は,MDなど音楽の再生装置にも接続できるようにします。 (鈴木 陽子=ニュース編集部)