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立ち見が出るほどの大盛況。壇上右が日産自動車の菅原氏,左が日経Automotive Technologyの鶴原編集長。
立ち見が出るほどの大盛況。壇上右が日産自動車の菅原氏,左が日経Automotive Technologyの鶴原編集長。
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 2008年7月23日から開催された「AT International 2008」展示会場内のメインシアターでは,主催者側が企画した対談や講演を無料・無登録で聴講できる。初日は,「テクノロジーが変わる!~エンジニアが考える明日のテクノロジー~」と題して,日経Automotive Technology編集部と自動車メーカーのエンジニアによるトークセッションをお届けしている。その第一弾として,日産自動車で「アラウンドビューモニター」の開発に携わった,技術開発本部IT&ITS開発部ITS先行・製品開発グループ 菅原大輔氏と,日経Automotive Technologyの鶴原吉郎編集長が対談した。

 アラウンドビューモニターは,車両の前後左右に設けた四つのカメラを利用して,あたかも車両の上空から撮影したような映像をカーナビの画面に表示し,駐車を容易にするシステムである。日産自動車の菅原氏は「私はカメラ屋で,実は駐車が苦手なんです」と自己紹介した。同氏によれば,車両の後方や側面の画像を表示するシステムでは,「複数の気になる死角を同時に確認したい」というユーザーの要求を満たせなかったことが,開発の発端だったという。複数のカメラの映像を用いる発想は当初からあったが,そのままでは運転手はどの画像を見ていいのか分からないため,どのように画像を見せるかが課題だった。駐車のシーンを複数の方法で撮影したところ,建物の屋上から撮った映像で車両の軌跡がわかりやすかったことが,アラウンドビューモニターの発想につながったとした。

 菅原氏によれば,開発で最も苦労したのは,四つのカメラの画像を一つにまとめるところ。「一台しか作らないコンセプトのレベルであれば5~6年前に完成していた。品質向上との戦いだった」(菅原氏)。量産品では,カメラ自体やカメラの取り付けによる画像のばらつきを,全車両で電気的に補正することで,見るに堪える画像を実現できたという。「詳しくは言えないが,補正は自動的に実行している」(菅原氏)。

 今後の展開は,あくまでも個人的な見解とした上で,単に画像を見せるだけではなくステアリングを自動的に動かすといった駐車を補助する機能などを実現したいという。今後クルマに搭載するカメラの数は,「四つかせいぜい五つ」という見解を示し,前後の車両の監視などにも,アラウンドビューモニターに使うカメラで対応していきたいと抱負を語った。