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 ディー・クルー・テクノロジーズは,モバイルWiMAX端末の送信回路用パワー・アンプにおいて,電力付加効率が25%と高い製品を開発,2008年10月からサンプル出荷を開始する。

 モバイルWiMAX端末に求められる送信出力24dBmの際に,電力付加効率(PAE)が25%と高い。その際の変調精度(EVM)は2.5%を確保しており,64値QAMといった多値変調に適用しながら高い効率を維持できるという。モバイルWiMAX端末用のパワー・アンプは,一般に電力付加効率が低く,10%~15%程度にとどまっていた。上り回線にOFDMを利用するため,パワー・アンプに高い線形性が求められ,結果として電力付加効率が犠牲となるからである。効率が低いことから,送信回路での無駄な電力消費が多く,電池駆動時間の短さなどが懸念されていた。

バイアス制御技術を導入

 ディー・クルー社が今回開発した製品は,電力付加効率が従来品に比較して5~10ポイント高いことから,端末の送信回路の消費電力を低減できるという。電力付加効率を高めるため,アンプ内部の電流バイアスと電圧バイアスを送信信号に応じてリアルタイムに最適制御する技術を導入した。同社は「HiPAEテクノロジー」と呼んでいる。モバイルWiMAX端末のような上り回線にOFDM変調を利用する回路において,消費電力の低減を実現できるとしている。製造プロセスにはSiGe技術を用いる。なお既に海外には,25%のPAEを達成していることをうたうメーカーもあるが,高次変調利用時の特性などが明確にされていない場合が多かった。

 開発したパワー・アンプの名称は「DC12シリーズ」。電源電圧は3.3Vで,24dBm出力時の消費電流は300mA,利得は30dBである。2.5GHz帯向け,および3.5GHz帯向けの2品種がある。いずれも4mm角のQFNに封止した。サンプル価格は1000円。量産出荷は2009年第1四半期の予定。

 まずは北米,台湾,そして日本の主要顧客から順次サンプル出荷していくという。ディー・クルー社は今後,モバイルWiMAX向けだけでなく,LTE向け製品などにおいても,今回の高効率化技術を導入して開発を進めていく方針だ。