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著作権を侵害するコンテンツをインターネット上のサーバーにアップロードをするユーザーは今でも後を絶ちません。現在の法律は効力がないのでは?

 ユーザーによる違法行為を取り締まるには,著作権を侵害するコンテンツを誰がアップロードしているかを特定する必要があります。しかし,動画共有サイトやファイル交換ソフトのユーザーは日本や世界各地に無数にいて,すべての侵害行為を摘発することは極めて難しいとみられます。

 この状況を憂慮した日本国内の権利者側は,法的な規制のさらなる強化を求めています。具体的には,違法なコンテンツをユーザーが複製する行為を,私的使用の範囲から外そうというものです。この主張が通ると,インターネットで公開されているファイルをユーザーがダウンロードするだけで,場合によっては罪に問われる可能性があります。そのため,この改正案は「ダウンロード違法化」と呼ばれています(図2)。

 日本の著作権法では,私的利用の場合は権利者の許可を得ずにコンテンツを複製することが許されています。複製元のコンテンツが合法か違法かは関係ありません。この結果,現在はインターネットの掲示板やYouTubeのようなサイトに投稿された違法なコンテンツをダウンロードしても,ユーザーは罪に問われません。ところがダウンロード違法化が実施されると,違法コンテンツの複製自体が違法になるため,こうしたユーザーを罪に問えるようになります。

 「ダウンロード違法化」は,いわゆる「iPod課金」の問題を議論しているのと同じ,文化庁関連の私的録音録画小委員会で議論されてきました。この委員会では,2007年末にダウンロード違法化の方向で著作権法を改正するする方針がほぼ確定しました。ところが,その後「ダビング10」をめぐる騒動で委員会の開催が先送りになり,7月10日に再開された委員会では一連の議論が振り出しに戻ったような状況です。著作権法の改正自体が暗礁に乗り上げているため,ダウンロード違法化がいつ実現するのかハッキリしません。

図2 違法なコンテンツをユーザーが複製することを私的な複製の範囲から除外する方針は,私的録音録画小委員会でほぼ確定した。
図2 違法なコンテンツをユーザーが複製することを私的な複製の範囲から除外する方針は,私的録音録画小委員会でほぼ確定した。 (画像のクリックで拡大)