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 ところが,DRM技術に対するユーザーの反発は依然として強いです。また,DRMを無効化する技術が次々と登場するため,権利者側もDRM技術による保護の有効性に疑問を感じています。こうした中,DRM技術でユーザーの視聴に大きな制限を課すよりも,コンテンツの宣伝や制作にユーザーの力を借りられるようにした方が,最終的な対価の還元でも得策ではないかと考えるコンテンツ提供者が出てきたわけです。角川グループの取り組みは,この新しい発想に基づくサービスの一例といえます。ネット上のコンテンツ配信サービスで暗号化を施さない,いわゆる「DRMフリー」の配信が始まったのも,同じ流れの中にあります(図3)。

 法律の専門家の意識も変わってきました。著作権法の権威であり,私的録音録画小委員会などの主査を務める中山信弘氏は,日経エレクトロニクスのインタビューに答えて,次のように語っています。「実際にビジネスを始めてみて不都合が生じた場合に,それを調整する手段が法律です。もし,その新しいビジネスが正しくコントロールできているのであれば,法律は介入しなくていい」。

図3 最近になって,ユーザーによる動画共有サイトへのコンテンツ投稿を許すコンテンツ提供者が現れたり,暗号化を施さない有料コンテンツ配信が始まったりしている。ユーザーの視聴や複製に制約を課すことが権利者側の利益につながるとしてきた,これまでの発想を見直す動きといえる。
図3 最近になって,ユーザーによる動画共有サイトへのコンテンツ投稿を許すコンテンツ提供者が現れたり,暗号化を施さない有料コンテンツ配信が始まったりしている。ユーザーの視聴や複製に制約を課すことが権利者側の利益につながるとしてきた,これまでの発想を見直す動きといえる。 (画像のクリックで拡大)