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 製品が与える新しい消費者の体験を重視する—。各社の方針転換が端的に表れたのがユーザー・インタフェースに関連する展示の増加だろう。地上アナログ放送の停波まで4年を切り,テレビなどの入力ソースのすべてがデジタル化される時代が目前になった。ネット化,フラット化が進む機器のユーザー・インタフェースを,抜本的に改革するチャンスととらえる姿勢が伝わってくる。

 今回のCEATECで意外なほど目を引いたのが,ユーザーと機 器やサービスの新しい接し方を提案する展示だった。個々の展示はそこまで目新しくないが,これだけ多くの展示が集まったことに新しい流れを見て取れる。これからのデジタル家電におけるユーザー・インタフェースの重要性を,機器メーカーが認識しているためだろう。

ジェスチャーで機器を操作

 特に多かったのが各種の認識技術を機器の入力に利用する展示である。中でも目立っていたのが,ジェスチャーを利用して機器を操作するアイデアだ。パイオニアは裸眼立体視技術とジェスチャー認識を組み合わせたカーナビを出展(図3-1)。立体映像として浮かんで見えるアイコンを手でつかんで,左側にあるカーナビに投げるような動作をすると,そのアイコンに応じてカーナビの画面上に検索結果などが出てくる。逆に不要な情報は右側に投げるとゴミ箱に格納される。

図3-1 裸眼立体視と動作認識を組み合わせパイオニアが開発。下部にあるメニュー・ボタンから表示させたい内容を選ぶ    と,中央にある裸眼立体視が可能なディスプレイに選択項目が立体アイコンとして表示される。これを左(カーナビの画面側)に手で投げるような動作をする    と,地図上にその項目が表示される。やめるときは逆に右へ投げる。
図3-1 裸眼立体視と動作認識を組み合わせパイオニアが開発。下部にあるメニュー・ボタンから表示させたい内容を選ぶ と,中央にある裸眼立体視が可能なディスプレイに選択項目が立体アイコンとして表示される。これを左(カーナビの画面側)に手で投げるような動作をする と,地図上にその項目が表示される。やめるときは逆に右へ投げる。 (画像のクリックで拡大)

 例えばガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどの施設情報を下側にあるタッチ・パネルの画面で選択すると,そのアイコンが立体映像として表示される。このアイコンをつかんでカーナビの方に投げると,ガソリンスタンドなどの情報を検索する。立体映像が結像している部分に赤外線を使った動きセンサがあり,このセンサで手の動きを検知している。

 日本ビクターの「拍手音&ジェスチャー認識テレビ」は拍手の音と手先の動きを認識してテレビを操作するものである(図3-2(a))。テレビの上部に設置したマイクで拍手の音をとらえ,拍手のタイミングと回数によって操作する。例えば,普通にテレビを視聴している状態で2回拍手すると,画面の中央に音量操作とチャンネル操作のアイコンが表示される。二つのアイコンは交互に赤く点滅するので,赤いうちに再度1回拍手するとそのアイコンを選択し決定できる。

 手先の動きはカメラで撮影した画像から検出する。手先の位置でアイコンを指定したり,指先の曲げ伸ばしによってアイコンをクリックしたりする。

 東芝は「ジェスチャリモコン」をメディア処理プロセサ「SpursEngine」を搭載したパソコン「Qosmio」で実現(図3-2(b))。手の動きによってDVDの再生を制御してみせた。例えばげんこつを握るとメニュー選択画面になり,手を握ったまま動かすとカーソルが移動する。そこで親指を立て ると,そのメニューが選ばれるといった具合だ。

図3-2 ジェスチャーで家電を制御カメラで撮影した画像のどこに人間の手があるかを識別して,手の動作に応じてAV機器などを操作する手法のデモが相次    いだ。日本ビクターはテレビの操作に,ジェスチャーと拍手の音を組み合わせた(a)。東芝はノート・パソコン「Qosmio」に搭載した    「SpursEngine」を使って手の動きを認識(b)。DVDの再生を制御するデモを見せた。    (a)日本ビクターの「拍手音&ジェスチャー認識テレビ」    (b)東芝の「ジェスチャリモコン」
図3-2 ジェスチャーで家電を制御カメラで撮影した画像のどこに人間の手があるかを識別して,手の動作に応じてAV機器などを操作する手法のデモが相次 いだ。日本ビクターはテレビの操作に,ジェスチャーと拍手の音を組み合わせた(a)。東芝はノート・パソコン「Qosmio」に搭載した 「SpursEngine」を使って手の動きを認識(b)。DVDの再生を制御するデモを見せた。 (a)日本ビクターの「拍手音&ジェスチャー認識テレビ」 (b)東芝の「ジェスチャリモコン」 (画像のクリックで拡大)

実用化始まった顔認識