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 「いつでもどこでも」に追随する——。電源・電池に関しては,携帯機器などへの利用を狙った技術の展示が目に付いた。充電容量の大きさといった単純な数値競争ではなく,急速充電特性のような優位性を製品の用途や使い勝手にどう生かすかが,競争軸になりつつある。これに伴い,特徴的な技術を持つ他のメーカーとの共同開発や買収などを含む合従連衡も活発化している。

 今回は,電池やキャパシタで携帯電話機などへの充電を,場所を選ばず,より簡単かつ短時間で済ませる技術の出展が目立った。

 光さえあればどこでも充電できるのが,プラスチック基板を用いた,軽くて薄い色素増感型太陽電池である。今回TDKは,この色素増感型太陽電池のモ ジュールを出展した(図5-1)。会場では実際に照明をモジュールに当てて発電し,同社の電気2重層キャパシタに充電して見せた。セル変換効率は最大7.2%。「非焼成プロセスを用いる色素増感型では世界最高レベル」(TDK)という。

図5-1 色素増感型太陽電池で発電を実演TDKが出展した色素増感型太陽電池。セル変換効率は最大7.2%。さまざまな色があるが,黒に近いほど効率が高い。
図5-1 色素増感型太陽電池で発電を実演TDKが出展した色素増感型太陽電池。セル変換効率は最大7.2%。さまざまな色があるが,黒に近いほど効率が高い。 (画像のクリックで拡大)

 「今後,効率10%を達成して2010年ころに製品化するのが目標」(TDK)という。今回,基板などにはPEN(ポリエーテルニトリル)を用いた。従来,色素増感型太陽電池は,負極側の電極として酸化チタン(TiO2)を焼結して用いていた。ところが焼結すると,熱に弱いプラスチック基板は利用できない。TDKはTiO2の代わりに酸化亜鉛(ZnO)を用いた。「ZnOならウエット・プロセスで電極を形成できる。プロセスの最高温度は乾燥時の80℃」(同社)と低い。

非接触かつ急速充電を実現へ

 村田製作所が出展したのは,同社がセイコーエプソンと共同開発中の非接触でしかも10~15分程度で急速に充電できるシステム(図5-2)。セイコーエプソンの電磁誘導を用いた非接触充電技術と,村田製作所の急速充電可能なLiイオン2次電池技術を組み合わせた。携帯電話機などへの搭載に向け,2008年のサンプル出荷,2009~2010年の量産を目指す。

図5-2 携帯電話機に非接触で急速充電へ村田製作所は,携帯電話機への搭載を目指しセイコーエプソンと共同開発中の非接触の急速充電システムを出展した。受電モジュールを組み込んだ電池パックを3Aという大電流で充電する。ボード下に送電ユニットを配置している。
図5-2 携帯電話機に非接触で急速充電へ村田製作所は,携帯電話機への搭載を目指しセイコーエプソンと共同開発中の非接触の急速充電システムを出展した。受電モジュールを組み込んだ電池パックを3Aという大電流で充電する。ボード下に送電ユニットを配置している。 (画像のクリックで拡大)

 一方,TDKも上述の太陽電池が発電した電力を,非接触充電技術で伝送する実演を披露した。電磁誘導の効果を高めるために同社のコア技術であるフェライト材料を利用した。クリーン・ルーム内の荷物搬送システムなどでの活用に向けるという。

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