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 独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)は,可視光に対して透明な窒化ホウ素(BN)による太陽電池の試作に成功した(発表資料)。BNは,紫外レーザや透明トランジスタなどを可能にするバンドギャップが広い半導体として期待されているが,従来は半導体化に必要となる不純物添加が困難であった。今回,高密度のBN薄膜に不純物を添加した「レーザミキシング・プラズマCVD法」という独自の手法を用いた結果,BN/Siヘテロ接合のダイオード作製に成功したという。これを用いて試作した太陽電池が,2%程度の発電効率を示した。

 レーザミキシング・プラズマCVD法で,ダイヤモンドと同じ原子間結合(sp3結合)をもつ高密度なBNを合成すると同時に,不純物としてSiを添加して,p型半導体のBNを得た。これにより,Si基板(n型)とその上に成長させたBN(p型)のヘテロ接合構造のダイオードによる太陽電池セルがワンステップで作製できたとする。加えて,薄膜の表面がミクロンサイズのコーンに覆われるため,太陽光の反射が抑えられて光吸収効率の向上が図れるという。

 BN/Si太陽電池は,特に耐久性や信頼性,耐候性などの要求が高い無人観測装置や宇宙環境などの用途に特化して製品化するという。今後は,今回作製に成功したp型BNに加えて,n型BNを作製して全体がBNのホモ接合のダイオードを作製する。このとき,可視光に対して透明な電池ができるため,蓄電池との組み合わせによる車載型サンルーフ発電システムのほか,サングラスや窓に貼り付けられる太陽電池などの開発が図れるとする。

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太陽電池に用いられるp型BN/n型Siヘテロダイオードの概念図
太陽電池に用いられるp型BN/n型Siヘテロダイオードの概念図
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