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図 本技術でステンレス鋼(SUS304)と無酸素銅(OFC:Oxygen‐Free Copper)を接合した例(左)と、その内部(右)
図 本技術でステンレス鋼(SUS304)と無酸素銅(OFC:Oxygen‐Free Copper)を接合した例(左)と、その内部(右)
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 日立製作所は、金属のパルス通電接合で、従来に比べて部材の変形を約40%低減させるとともに必要な時間を半減する技術を開発した。約40%はチタン合金(Ti‐6Al‐4V)同士を接合した場合の数字。

 現在、金属材料を面と面で接触させて直接接合する方法としては、接合する部材を熱処理炉に入れ、圧力をかけた状態のまま、全体を高温で加熱し接合する「拡散接合」が広く使われる。炉にいれて空気を抜き、Ar(アルゴン)、He(ヘリウム)などの不活性ガスを満たすなどの工程が必要で、接合に要する時間が長いこと、全体を加熱するためエネルギ使用量が大きいことなどの課題があった。

 これに対し、パルス通電接合は、接合する部材同士を押し付け、電流を流すことによって主に接触抵抗で加熱するため、接合部を中心に加熱でき、接合時間を短縮できる。全体が熱変形することがないため、接合に伴う変形が少ない。このため金型の冷却用部品の接合に使うことが多い。最近はエンジン部品や油圧機器の部品などの複雑で精度が要求される部品への応用も検討が進んできた。

 新たに開発した技術は、これを基準に変形を約40%抑えた。接合中の部材の変形度合いを検知し、その度合いに応じて接合の圧力や通電時間をより適切に調整する「通電・加圧力制御技術」を開発し、加圧力が強すぎて変形させることを防いだ。

 また、チャンバを使わず、接合部材の周囲のみに不活性ガスを流して覆う「雰囲気制御技術」を開発した。従来の部材全体を不活性ガスで覆う方式と比べ、接合前に酸化防止のために雰囲気を調整する時間が短縮され、接合時間が半減する。