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 SiC基板メーカー大手の米Cree社は,SiCの国際学会「7th European Conference on Silicon Carbide and Related Materials(ECSCRM)」で,「Defect Control in SiC Manufacturing」と題し,同社のSiC基板の特性について明らかにした(講演番号:Tu3-2)。チップを作り込んだ際の歩留まりと,結晶欠陥や中空貫通欠陥(マイクロパイプ)との関係について講演するとともに,同社の直径100mm(約4インチ)基板に存在する各種転位密度を公表した。既に同社はマイクロパイプがほとんど存在しない「マイクロパイプ・フリー」をうたう直径100mmの基板を供給している。

 チップの歩留まりに関しては,製品化している直径100mmのn型4H-SiC基板を例に,基板表面の結晶欠陥が全部で165個ある標準品と,同21個と少ない品種とで比較した。大きさ2mm角のチップを作り込んだ場合,チップの歩留まりは標準品で94.1%,欠陥の少ない品種で99.2%とする。チップ・サイズが大きくなるほど標準品と欠陥少量品との差は広がり,3mm角のチップで標準品の歩留まりが87.8%,少量品の歩留まりが98.2%に,5mm角のチップで同73.3%と同95.8%になる。

 また,直径100mm,n型の4H-SiC基板上にエピタキシャル(エピ)層を設けた製品を例にし,エピ層表面の結晶欠陥が全部で184個である標準品と,同63個と少ない品種を使い,チップを作り込んだ際の歩留まりを比較した。2mm角のチップの歩留まりは,標準品で93.2%,欠陥の少ない品種で98.1%とする。3mm角のチップでは,標準品の歩留まりが85.5%,少量品の歩留まりが96.2%に,5mm角のチップでは同68.8%と同90.8%となる。

 マイクロパイプ密度とチップの歩留まりの関係性は,マイクロパイプの密度が0.7個/cm2と小さい直径100mmのn型4H-SiC基板を例に評価した。大きさ2mm角で,かつマイクロパイプのないチップの歩留まりは96%,5mm角で同86%,10mm角で同65%とする。

 このほか,n型の4H-SiC基板の「1c dislocation」や「Basal Plane dislocation」といった各種転位の密度を明らかにした。直径100mmの研究開発品で,1c dislocation密度は平均425個/cm2,直径約75mm(3インチ)の研究開発品で同175個/ cm2である。Basal Plane dislocationは直径100mm品で同1550個/ cm2とする。

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