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ヘッドセットで脳波を読み取って,携帯電話機の画面上に表示する
ヘッドセットで脳波を読み取って,携帯電話機の画面上に表示する
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センサは額のどこか一点に接触させる
センサは額のどこか一点に接触させる
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ユーザーが意識的にリラックスすると,携帯電話機の画面上にビジュアライザーによって表示された脳波の波形が変化する
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ユーザーがリラックスすると,さまざまな色の波形が現れる
ユーザーがリラックスすると,さまざまな色の波形が現れる
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α波やβ波などの状況を把握できる
α波やβ波などの状況を把握できる
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ゲームの例。キャラクター(この場合はてんとう虫)を,目的地まで動かす。脳の集中度が高まると,てんとう虫の移動速度が速くなる
ゲームの例。キャラクター(この場合はてんとう虫)を,目的地まで動かす。脳の集中度が高まると,てんとう虫の移動速度が速くなる
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 米カリフォルニア州サンノゼのベンチャー企業であるNeuroSky Inc.は,ユーザーの脳波をセンサで読み取って,携帯電話機の各種アプリケーションに利用できるシステムを試作,2008年9月10日から開催中の展示会「CTIA WIRELESS I.T. & Entertainment 2008」に出展した。

 試作したシステムはヘッドセット型で,脳波を読み取るセンサと,デジタル信号処理部などで構成する。ユーザーの額の一点にセンサを接触させて使用する。α波やβ波といった脳波を読み取ることで,ユーザーの脳のリラックス度や集中度を大まかに把握可能という。測定した脳波の情報を,ビジュアライザーを使って携帯電話機の画面上に表示したり,脳の集中度を使ってゲーム・キャラクターを操作したり,などの用途を実現できる。

民生機器向けの脳波センサを実用化

 NeuroSky社は,脳波を測定するセンサ技術と,読み取った脳波からユーザーの心理状況を推測するソフトウエア・アルゴリズムなどを強みとする企業(同社のホームページ)。脳波を測定するセンサ技術は,医療用のシステムを基に,民生機器向けに応用して実現したとする。脳波測定用の信号処理部は,今のところディスクリート部品を中心に構成するが,現在集積化を進めており,「近々1チップICとして実現する」(NeuroSky社)という。

 同社はこれまでに,家庭用ゲーム機やゲーム・ソフトウエアのメーカーに向け,脳波操作システム(ブレイン・コントローラ)の開発キットを販売済みで,既に10社以上の顧客を抱えているとした。今回CTIAに出展したのは,同社の開発キットを使った携帯電話機向けアプリケーションの有用性を示すためである。「弊社の顧客企業が,ヘッドセットのような製品をイメージしやすいように,参照モデルとして試作し,実演を見せた」(NeuroSky社)。家庭用ゲーム機や携帯電話機だけでなく,将来は家庭のAV機器を脳波で操作するコントローラの実現も視野に入れている。

 CTIA会場では,同社が試作した,携帯電話操作用ヘッドセットを使った実演を披露した。同種のヘッドセットをこれまでも見せていたが,実際に動作させるのは今回が初めて。このヘッドセットを,Nokia社の携帯電話機とBluetoothを使って接続し,ユーザーの脳波の変化を無線伝送した。実演では,1)ユーザーの脳のリラックス度を,ビジュアライザーを使って携帯電話機の画面上に示すアプリケーション,2)携帯電話機の画面上に現れる算数の問題(足し算や掛け算)を10問程度解いた後,脳の緊張度を時系列で示すアプリケーション,3)携帯電話機の画面上のキャラクターを,所望の場所になるべく短時間で移動させるゲーム・アプリケーション(脳の集中度合いが高いほど,キャラクターがより早く動くように設定されている),などを見せた。例えば1)では,ユーザーが意識的にリラックス状態になろうとすると,ビジュアライザーが示す曲線の色がさまざまに変化する。2)では,アプリケーションの作り込みを工夫すれば,ユーザーの脳の緊張度合いをリアルタイムに出題内容の難易度に反映させるような,脳のトレーニング・ゲームを実現できるという。

 会場では,実際にヘッドセットを装着してアプリケーションを体験できるとあって,ブース周辺は多数の参加者であふれていた。同社は今後,日本国内の展示会などにも出展予定という。

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