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PVラボの内部の様子 「3次元構造の解析ができるなど,装置の4割は最新の機器。これだけそろえているメーカーはほとんどないはず」(DuPont社)。
PVラボの内部の様子 「3次元構造の解析ができるなど,装置の4割は最新の機器。これだけそろえているメーカーはほとんどないはず」(DuPont社)。
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 米E.I. du Pont de Nemours & Company (DuPont社)は,神奈川県川崎市にある「かながわサイエンスパーク(KSP)」に,同社の太陽電池向け電極ペーストを開発する,アジアでの研究開発拠点「PVラボ」を開設した。

 DuPont社は,約20年前から結晶Si系太陽電池を中心に,電極となるAgペーストや太陽電池セルの封止用樹脂,表面のコート用フィルム,太陽電池モジュールの裏面の基板など各種の部材を開発してきたという。ところが,これまでは「それぞれ別の事業部で開発しており,統括する組織がなかった」(同社 日本法人デュポン 代表取締役社長の天羽稔氏)。

 今回,PVラボの開設は,これら縦割りだった部材の開発態勢に「横串を通す」(天羽氏)のが目的という。具体的には,ユーザーのニーズに対して,複数の部材の選択肢の中から,最適なものを提案,あるいはより最適な部材を新規に開発することができるようになるとする。

 PVラボには,従来,宇都宮にあったDuPont社の太陽電池向けの開発拠点をKSPに移転させた。加えて,既存の各材料の開発部隊から人員を移動させたり,最新の開発装置や評価装置を新規に導入したりした。「PVラボは2008年4月に設置を始め,今になってようやく正式に稼動し始めた」(デュポン)。

 DuPont社は,上海,台湾の2カ所,香港やインドにも研究開発拠点を持っている。ただし,それらは「日本の研究開発の現地での技術サポート」(同社)という位置付けである。アジアでの研究開発の中心はあくまでKSPのPVラボとして,「米国からも研究者をKSPに呼び寄せている」(同社)という。

 最近は,アジアの拠点を中国などに移転させるメーカーが多い中,あえて日本を選んだ理由として,DuPont Asia Pacific Limited DuPont Electronics CenterでElectronic Technologies CTOを務めるPeter A. Irvine氏は(1)太陽電池市場は日本が牽引している,(2)パートナーとなる材料系メーカーが多い,(3)他のアジア諸国に比べて知的財産を守る意識が高い,ことなどを上げた。