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図1 左の電子レンジのような大きさの装置が燃料電池電源。発電した電気で,照明器と冷蔵庫(写真下)を運転するデモを実施中。燃料電池電源の右手に,2種類の燃料電池スタックが展示してある。
図1 左の電子レンジのような大きさの装置が燃料電池電源。発電した電気で,照明器と冷蔵庫(写真下)を運転するデモを実施中。燃料電池電源の右手に,2種類の燃料電池スタックが展示してある。
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 三菱ガス化学は,2008年9月10日から12日まで東京ビッグサイトで開催された第5回ECO-MAnufacture2008(製造業環境・エネルギー対策展/技術会議)で,燃料電池による可般型電源装置を出展した(図1)。

 アクティブ方式のダイレクト・メタノール型燃料電池(DMFC)を内蔵しており,出力は300W(AC100V)。4Lの燃料タンクで,約8時間連続稼働する。外形は幅380mm,奥行450mm,高さ300mmで,乾燥重量は22kg。燃料には濃度54%のメタノール水溶液を使う。

 電解質膜には米DuPont社製の固体高分子膜「Nafion」を使い,触媒層や電極,セパレータなどの形成に独自技術を取り入れたという。燃料電池スタックの外形は120mm×120mm×125mmで40セルを積層,重さは3.9kg。燃料供給や反応生成水の再循環などをセンサーやポンプを使って制御するアクティブ方式とはいえ,燃料電池セルの出力密度は130mW/cm2と高い。

 似たようなダイレクト・メタノール型燃料電池の可般型電源としては,日立製作所がNHK向けに試作した例がある。7月の北海道洞爺湖サミットで,実際にニュース中継に利用した(関連記事)。こちらは重さが6kgと軽いが,出力は100Wで,連続使用時間は2時間半(燃料は濃度40%メタノール水溶液500mL)だった。

スズキの電動車いすに採用

 三菱ガス化学によれば,同社は数年前から自動車会社のスズキと,この燃料電池を使った電動車いすの開発を共同で進めてきたとのこと(スズキの発表資料)。電動車いすは速度が遅いので,300W程度の電源で十分駆動できるという。従来の蓄電池方式だと,ユーザーはいつも電池切れを心配しながら利用しなくてはならなかったが,燃料電池方式にすればその心配がなくなる(4Lの燃料で60kmの走行が可能)のが大きなメリットだという。もっとも,まだ市販されているわけではなく,フィージビリティ調査の段階である。

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