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47μFと小さいコンデンサが使えるビデオ・ドライバIC
47μFと小さいコンデンサが使えるビデオ・ドライバIC
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 新日本無線は,静電容量が47μFと小さい出力コンデンサを使えるビデオ・ドライバIC「NJM2512/NJM2516」を開発し,2008年9月からサンプル出荷を始めた。カーナビやセキュリティー機器などに向ける。
 従来のビデオ・ドライバICでは,映像信号の直流成分を取り除くために出力コンデンサを外付けする必要があった。ただし,このICには75Ωの負荷(インピーダンス整合用抵抗)が接続されているため,外付けの出力コンデンサの容量は大きくしなければならない。抵抗とコンデンサで高域通過フィルタを構成してしまうため,容量が小さいとカットオフ周波数が高くなり映像信号が大きく歪むからだ。映像信号に悪影響を与えない程度にカットオフ周波数を設定するには,470μFと容量が大きなコンデンサが必要だった。

 容量が大きなコンデンサは外形寸法が大きく,価格が高い。そこで同社は,大容量の外付け出力コンデンサを使わなくても映像信号の直流成分を取り除ける方式を2種類開発し,それぞれの手法を適用したICを既に製品化している。
 一つは,映像信号をフィードバックして信号波形の歪み成分を補正する「SAG(サグ)補正回路」をICに搭載する方式である。この方式を使えば,100μFと22μFという比較的容量が小さい二つの出力コンデンサを外付けするだけで済む。もう一つは,チャージ・ポンプ回路をICに集積することで負電圧を発生させ,直流成分を打ち消す方式である。この方式では,外付けの出力コンデンサは不要だ。
 ところが上記の二つの方法はいずれも課題を抱えていた。「SAG補正回路を用いる方法は,信号の歪みを十分に補正できずに信号の同期が外れて映像が乱れるという現象が起こっていた」(同社)。一方のチャージ・ポンプ回路を使う方法では,負荷側で短絡が発生した場合,ICに大電流が流れ込んで壊れてしまうという課題があった。さらに,チャージ・ポンプ回路で発生する雑音も無視できなかった。

 そこで今回新日本無線は上記のような課題を解決すべく,映像信号の直流成分を取り除く新しい方式を開発した。「ACS(Advanced SAG Correction)回路」と呼ぶ。考え方自体はSAG補正回路に近い。違いは映像信号の歪み成分の把握方法にある。SAG補正回路では,映像信号をフィードバックすることで歪み成分を把握していた。しかし,ACS回路ではフィードバックをかけずに,ある容量の出力コンデンサを接続した場合に,映像信号に発生すると予測される歪み成分を計算によって把握する方法である。外付け出力コンデンサの容量は最小で47μFまで対応可能だ。同社は,「SAG補正回路を使った場合よりも,歪みの発生量を大幅に低減できる。470μFの出力コンデンサを使う場合と比べると,ほぼ同等の歪み量に抑えられる」と主張する。ただし,ACS回路での具体的な計算方法は明らかにしていない。

 NJM2512とNJM2516の内部回路構成は同じだ。ACS回路のほか,利得が6dBのビデオ・アンプと75Ω対応のライン・ドライバ,低域通過フィルタなどで構成した。違いは,チャネル数と対応する映像信号にある。NJM2512は1チャネル品で,SDTV信号に対応する。電源電圧は+3.0~9.5V。カーナビなどへの搭載を想定し,動作温度範囲を-40~+105℃に広げた。パッケージは外形寸法が2.9mm×4.0mm×0.9mmの8端子TVSP。サンプル価格は60円。
 NJM2516は3チャネル品で,HDTV信号に対応する。電源電圧範囲は+4.5~5.5V,動作温度範囲は-40~+85℃である。パッケージは外形寸法が6.5mm×4.4mm×1.15mmの2端子SSOP。サンプル価格は120円。