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 日本電産は2008年9月16日,東洋電機製造に対して株式公開買い付け(TOB)による資本提携(買収)を提案したと発表した。日本電産代表取締役社長の永守重信氏が,東洋電機製造代表取締役社長の大澤輝之氏に直接説明したという。現在の東洋電機製造の株価の約2倍に当たる価格で株式を買い付け,経営陣と従業員は現状のままというもので,「どこから見ても友好的な提案と考えている」(永守社長)。今後東洋電機製造の経営陣の賛同を得た上で,手続きを進めていきたいという。

 東洋電機製造は鉄道車両用モータをはじめとして,鉄道機器事業を主力とする。日本電産によれば,鉄道は輸送量当たりのCO2排出量が少ないなど,環境に対する負荷が少ないことから,世界規模では成長が見込める。東洋電機製造の海外売り上げ比率が13.3%に留まっていることから,日本電産としては持ち前の海外展開力を組み合わせることで東洋電機製造の海外事業の伸びを加速したいという。「鉄道・自動車市場における,世界No.1のモータメーカーを目指せる」と考えている。

 東洋電機製造には,東京三菱UFJ銀行の仲介で,会見を申し込んだという。それ以前にTOBについて説明したり,何らかの合意を得たりしたわけではないが,「東洋電機製造は2008年7月14日に買収防衛策をルール化して公表しており,そのルールにのっとって検討してもらえると考える」(日本電産)という。その買収防衛策は,東洋電機製造が「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策」と呼ぶもの。買収されないことを主眼としたルールと考えられるが,一方で買収の意図を持つ者に対して意向表明書の提出を求めるなど,買収に応じる際のルールを明らかにしたともとらえられる。株価の2倍という価格については「高いとは思っていない。会社の価値にふさわしい価格だと思う」(日本電産)としている。

 提案に対して東洋電機製造の経営陣が否定的だった場合に,敵対的買収に切り替えるかどうかは「現時点ではベストの提案をしたと思っている。否決されたときのことは決めておらず,そのときに考える」。「個人的にも鉄道は大好きであり,飛行機にはあまり乗らないが,新幹線にはよく乗る。新型のN700系車両も静かで揺れない。日本の技術は世界で一番になれる位置にあり,それにぜひ参画したいと思っている」(日本電産の永守社長)。