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 独BASFは,スイスCibaホールディングの株式を公開買い付けすると発表した。対象となるのは,Cibaのすべての発行済み株式(2007年12月31日時点で6906万4617株)。1株当たりの買い付け額は50スイスフラン(約4700円。1スイスフラン=94円で換算)で,株価(2008年9月12日終値)の32%増し。買い付け期間は,2008年10月1日(スイス時間)から営業日で20日間の予定だ。

 2007年度のBASF社の売上高は約579億ユーロ(約8兆6850億円,1ユーロ=150円で換算)で,Cibaの売上高は約40億ユーロ(同6000億円)。プラスチック添加剤やコーティング機能材を中心とした製品で強みを持つCibaを買収することでBASFは,特にプラスチックやコーティング,水処理,製紙薬品の部門を強化する狙いだ。具体的には,UV安定剤や酸化防止剤といった製品ラインアップを強化できる。コーティング機能材については,事業統合によりBASFが世界で第2位のサプライヤーとなる見通しだ。

 Cibaホールディングスの日本法人であるチバ・ジャパン(本社東京)によれば,原油価格の高騰により原料の安定調達が難しくなっているという。そのため同社は,BASFの購買力によって原料の調達がしやすくなることを,事業統合のメリットの一つに挙げる。

 これまでも両社は,CibaがBASFから原料を調達したり,Cibaの製品をBASFが購入したり,といった関係を維持してきた。事業を統合することで互いの事業を補完できる上,重なる分野では相乗効果が見込める。だが,両社の顧客同士が競合している例もあり,その点については調整が必要という。また,事業統合後も両社は,バーゼルにあるCibaの研究開発拠点を活用するが,Cibaの生産拠点の扱いについては「未定」(BASFジャパン)とする。