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 キヤノンがついにコンパクト・デジタル・カメラ用撮像素子の内製化に踏み切った。2008年12月に発売する「PowerShot SX1 IS」に,自社設計・製造のCMOSセンサを搭載する(SX1の商品概要を報じた記事)。同社はこれまでコンパクト機の撮像素子に,ソニー製などの社外製CCDを使い続けていた。コンパクト機に内製撮像素子を使うのは,これが初めてである。

 今回採用するCMOSセンサの画素ピッチは1.7μmと,デジタル・カメラに使うCMOSセンサとしては最も狭い部類に入る。この事実は,キヤノンの単位面積当たりのS/N向上技術が,コンパクト機の分野においても非常に高い水準にあることを物語る。一般に,狭い画素ピッチの撮像素子で高い画質を得るためには,単位面積当たりのS/N向上技術が高い水準で伴う必要がある。

 「当社のCMOSセンサは,一眼レフ機からビデオ・カメラ,そして今回のコンパクト機にまで広がった。これは単位面積当たりのS/Nと原価低減を同時に実現する力が,そこまで高まったことを意味する」(キヤノン)。

 1.7μm品を搭載する機種は,今のところPowerShot SX1 ISのみ。その月産台数は5万台,想定実売価格である7万円。姉妹機の「PowerShot SX10 IS」には,社外品のCCDを用いる。このことから,慎重に量産規模を拡大させる姿勢が見て取れる。

 今後キヤノンは,自社のコンパクト機のほぼすべてに,内製CMOSセンサを搭載する可能性が高い。第1の理由は, CMOSセンサの採用によるフルHDTV動画や,高速連写への対応が今後のコンパクト機に欠かせなくなること。第2の理由は,社内設計・製造の半導体に対する同社の採用方針である。キヤノンは自社設計の画像処理LSI「DIGIC」で明らかなように,全機種採用によって半導体の原価低減を実現する方針を採っている。

 以下に1.7μm品CMOSセンサと搭載機の仕様などを記した。同時に発表された「EOS 5D Mark II」のCMOSセンサなどに関する情報も示す。

「PowerShot SX1 IS」

<CMOSセンサ>
画素ピッチ    1.7μm
光学サイズ    1/2.3型(撮像部の対角長は7.8mm前後)
総画素数     1180万画素
出力チャネル数  4つ
信号出力形式   不明
備考       画素共有技術を適用

<カメラの機能など>
連写速度     4コマ/秒
動画解像度    1080/30p
有効画素数    1000万画素
月産台数     5万台
想定実売価格   7万円

「EOS 5D Mark II」

画素ピッチ    6.4μm
光学サイズ    35mmフィルム相当(撮像部の対角長は約43mm)
総画素数     2110万画素
出力チャネル数  4つ
信号出力形式   アナログ
備考       色フィルタに透過率が高い新材料を採用

<カメラの機能など>
連写速度     3.9コマ/秒
動画解像度    1080/30p
有効画素数    2103万画素
月産台数     4万台
想定実売価格   30万円
備考       撮影用CMOSセンサを用いたコントラスト検出方式のオートフォーカス機能を備える。ただし,その速度は位相差検出式に比べてだいぶ遅い。

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