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 東芝は,2008年度(2008年4月~2009年3月)の業績予想を下方修正した。半導体事業の不振で上期に300億円の営業損失を計上する。通期は連結売上高が前年度比0.4%増の7兆7000億円,営業利益が同37.0%減の1500億円になる見込み。2008年4月に発表した前回予想に対し,売上高は3000億円,営業利益は1400億円,引き下げた。

 業績悪化の主因は半導体事業。通期で650億円の営業損失を見込んでいる。ディスクリート半導体で約100億円の黒字を確保する見通しだが,NANDフラッシュは約390億円の赤字,システムLSIも約360億円の赤字になると予測した。

設備投資の一部延期も

 NANDフラッシュ・メモリの2008年度の世界市場規模(ビット換算の販売数量)を東芝は当初,2007年度の2.4倍とみていたが,2.0倍へ予測を引き下げた。あわせて,同社の販売見込みも当初の前年度比2.8倍から2.5倍へ下方修正した。第2四半期のNANDフラッシュ・メモリ市場の充足率(需要に対する供給率)は120%,年末商戦が盛り上がるはずの第3四半期でも105%とみる。供給過剰のため,平均販売単価は東芝の当初予測以上に下落しているといい,通期では2007年度に比べて60%下落する見込みとした。

 第1四半期の決算説明会では設備投資計画に修正はないとしていたが,今回の業績予想説明会では「需給のバランスをみながら投資していく。一部を2009年度に繰り延べる可能性もある」(代表執行役専務の村岡富美雄氏)とした。ただし,43nmプロセスによる生産比率を2009年3月までに90%に引き上げること,四日市工場Fab4の生産能力を2008年内に11万枚/月(300mmウエハー投入量換算)とすることの2点について変更はないとする。

 韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.が米SanDisk Corp.の買収に乗り出した件に関しては「(SanDisk社は)我々の重要なパートナーだが,当社は買収者でも被買収者でもないのでコメントする立場にない」(村岡氏)とした。一部報道では,Samsung社に対抗して東芝もSanDisk社の買収を検討しているとされたが「(Samsung社による買収を防ぐために東芝が)何をしているか,していないか,それもコメントできない」(同)。

売り上げ下方修正の1/2は携帯電話機

 システムLSI事業は,デジタル家電向けの需要が停滞しており,業績が低迷している。先端システムLSIを生産する大分工場と長崎工場の300mmウエハー対応ラインの稼働率は現在70%程度という。第1四半期に直前四半期の80%から70%に低下し,回復していない状況。ただし,第3四半期にはゲーム機向け需要の盛り上がりで工場稼働率の上昇が見込めるとしている。

 利益予想の下方修正分はほぼ全額が半導体事業によるものだが,売り上げの下方修正は,その1/2がテレビや録画機などのデジタル家電を扱う「デジタルプロダクツ」事業の計画未達による。同事業の売上高は通期で当初予測を1400億円下回る見込み。この下ブレのほとんどが携帯電話機の販売不振によるものと東芝は説明する。国内市場において販売方法が変わり,買い替えサイクルが長期化したことの影響を受けたという。パソコン事業は好調を維持し,テレビ事業もほぼ計画通りに推移しているが,携帯電話機の売り上げ減をカバーするには至らなかった。

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