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第2回で紹介した通り,自己評価のための質問項目(全206項目)のうち,最も重要なのはF3と重み付けされているもの(35項目)です。F3の質問項目が一つでも不適合な場合,採点結果は最低レベルの“C”と判定されてしまうからです。従って,F3の質問項目は,自己評価シート上において「赤色背景・白抜き文字」という形で強調して表示されているほどです。そこで今回から2回にわたってF3の質問項目を幾つか取り上げ,それらの基準が資材管理プロセスおよびロジスティクス・プロセスにとってなぜ重要なのかということを説明していきます。

まず全6章で構成される「自己評価」の206の質問項目に回答していきます。これによって,自社の資材計画とロジスティクス業務の能力が評価でき,業界の「ベストプラクティス」の導入に向けた「アクションプラン」が策定できます。

この連載で取り上げる,F3の質問項目を含む分野を以下に挙げます。

  • ●EDIシステムのERPシステムへの統合
  • ●能力計画
  • ●在庫および資材の確認(以上,この回で紹介)
  • ●ASNの内容確認(以下,第4回で紹介)
  • ●サブサプライヤーとの電子的なコミュニケーション
「自己評価」シートの構成(表示しているのは章および中項目)は,以下の通りです

第2回で説明したように,自己評価は全6章で構成され,章>中項目>小項目>質問項目という階層構造になっている。

EDIシステムのERPシステムへの統合

以下の図は,自己評価の第4章「顧客対応」のうち,1番目の中項目「コミュニケーション」に盛り込まれている小項目の一つを示したものです。顧客からの予測および出荷に関するEDI(電子データ交換)データが,人的介入(手動操作)を必要とすることなく自動的にサプライヤー側のERP(企業資源計画)システムに統合されるようになっていることを確認するための項目です。

手動で操作している例,すなわち,表計算ソフトのスプレッドシートを使用して顧客の所要量を計算している場合,下図で強調表示されたF3の基準を満たしていないと判断されます。過去の事例より,データの再入力といった手動操作はミスを引き起こしやすいことが明らかになっているからです。また,ある調査によれば,予測や出荷に関するデータを手動で計算し,電話/ファクス/電子メールなどを介してサブサプライヤー(サプライヤーのサプライヤー)に転送した場合,データが次のティア(サブサプライヤーのサプライヤー)に到達するまでに1週間はかかるといいます。その点,EDIシステムを使用すればデータはほぼリアルタイムで送信および処理されるため,変更などによる遅延を最小限に抑えられ,データの再入力によるミスも防げます。