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開かれた機器やサービスへ

 Google社のもくろみが成功するかどうかは分からない。OSやミドルウエアなど,Androidと直接競合する事業領域のメーカーは,一朝一夕に切り崩せるほど携帯電話機の市場は簡単ではないと主張する注7)

注7) Windows Mobileを推進する米Microsoft Corp.は,OHAの動きを冷ややかに見つめる。「我々は150を超える携帯電話事業者と納入契約を結んでいる。Androidが,Windows Mobileのような認知度を得るまでにはかなり時間がかかるだろう。OHAには何も新しさを感じない。あえて何か新しい点があるとすれば,お金を持っている誰かさんが,加わっていることぐらいだろう」(Microsoft社,Group Product Manager for the Mobile Communications BusinessのScott Rockfeld氏)。米国の携帯電話業界のアナリストは,「Google社の参入は,業界内のほかの企業を神経質にさせている。彼らの登場のインパクトは,米Apple Inc.のiPhoneに近い。しかし,Androidが異なるのはそれに加えて,ほかの多数のパートナー企業やソフトウエア開発コミュニティーを巻き込む力がある点だろう」(米Chetan Sharma Consulting社,Founder and PresidentのChetan Sharma氏)と指摘する。

 OHAに加盟した企業の中にも半信半疑のところは少なくない。Google社がぶち上げた構想がうまくいくなら,うまく便乗して自社の利益につなげたいとの思惑が垣間見える。仮にGoogle社が失敗しても損失は大きくない。 実は,Google社の想定通りに事が進むと,携帯電話事業者や携帯電話機メーカーにとっても必ずしも望ましくない未来が訪れる可能性がある(図6)。Google社がAndroidで実現しようとしているのは,これまで機器メーカーや携帯電話事業者が中心に手掛けてきた機器の開発やサービスの提供に,第三者の大幅な介入を許すものと見なせる。いわば,携帯電話機のパソコン化である。

図6 Google社の参入は有利か不利か 消費者,端末メーカー,携帯電話事業者,OSなどのソフトウエア・メーカーが,Google社の参入によりどのような影響を受けるかを示した。当初は端末メーカーや携帯電話事業者は,Google社の無償OSなどによって製造コストや調達コスト低減の可能性があり,恩恵を受ける。一方でOSなどソフトウエアを有償で提供するメーカーにとっては,大きな脅威である。その後Androidの利用が広まった場合,端末メーカーや携帯電話事業者にとっても不利な面が出てくる。例えば端末メーカーは,端末の差異化がこれまで以上に難しくなる可能性がある。携帯電話事業者にとっては,音楽配信事業など自社で管理するサービス事業に対し,競合事業者が増えるリスクがある。
図6 Google社の参入は有利か不利か 消費者,端末メーカー,携帯電話事業者,OSなどのソフトウエア・メーカーが,Google社の参入によりどのような影響を受けるかを示した。当初は端末メーカーや携帯電話事業者は,Google社の無償OSなどによって製造コストや調達コスト低減の可能性があり,恩恵を受ける。一方でOSなどソフトウエアを有償で提供するメーカーにとっては,大きな脅威である。その後Androidの利用が広まった場合,端末メーカーや携帯電話事業者にとっても不利な面が出てくる。例えば端末メーカーは,端末の差異化がこれまで以上に難しくなる可能性がある。携帯電話事業者にとっては,音楽配信事業など自社で管理するサービス事業に対し,競合事業者が増えるリスクがある。 (画像のクリックで拡大)