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携帯電話以外まで

 携帯電話事業者の歯止めが利かなくなれば,サービスや機器開発のオープン化は一気に進みそうだ。そのとき端末メーカーは,パソコン市場と同様な激烈な価格競争に巻き込まれるだろう。Google社の狙いは携帯電話機にとどまらない。ネットワークにつながるあらゆる機器が対象になり得る。当初は携帯電話機の顔をしているAndroid搭載機は,「将来はパソコンに近いものになるだろう。我々はカーナビやセットトップ・ボックスにも興味がある」(Google社のRubin氏)。

 もちろんGoogle社の構想が失敗する可能性はある。しかし,Google社が開けた機器やサービスのオープン化というパンドラの箱は,閉じることはないだろう。国内携帯電話市場の閉塞感から明らかなように,ソフトウエアの自社開発にこだわっていても新しいものは生み出せなくなっている。「『作ったら売れる』という幸せな時代は終わった。もはや,すべてを単独開発したいと思っているメーカーはいないだろう。完成されたものをなるべく利用して,ユーザーに見える部分の差異化に注力することがメーカーの役割だ」(国内の携帯電話機メーカー)。

 パソコン市場で生き残っているメーカーがたくさんあるように,オープンな世界でも勝ち残り策はある。重要なのは,他社にはない独自の特徴である。特徴の出し方は何通りもあり得る。使いやすさ,デザイン,堅牢性,価格など,枚挙にいとまがない注8)。それぞれの方向で他社を引き離す特徴を出せる企業が,オープンな時代の勝者になるだろう。

注8)KDDIは,「結局は,家電的な使いやすさというか,ユーザビリティだと思う。そこは,端末メーカーが差異化し続けられるポイントではないか」(中馬氏)と語る。例えばKDDIが提供する携帯電話機の開発プラットフォーム「KCP+」では,端末間の共通機能に関するソフトウエア開発負担を軽減する代わりに,その端末を特徴付ける斬新な機能への,開発投資を促すコンセプトを掲げている。「各社で共通な部分は我々が提供する。端末メーカーには,『売り』になる機能の開発にコストを掛けてもらうという考え方だ」(KDDI コンシューマ技術統括本部)。

―― 次回へ続く ――