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Google社のビジョンや急成長の秘訣を解説する連載の第2回。同社が目指す方向を解説した前回に続き,今回は斬新なアイデアを次々に実用化する開発体制にスポットライトを当てる。(以下の本文は,『日経エレクトロニクス』,2006年2月13日号,pp.88-91から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)
図1 緑多いGoogle本社のキャンパス 本社の衛星写真。地域情報サービス「Google Local」で表示した。緑豊かな敷地内にキャンパスがある。敷地内のビル周辺には駐車場があるが,社員が急増しているため,全員が車を停めるスペースがない。真ん中のカラフルな部分は,屋外カフェテリアだ。
図1 緑多いGoogle本社のキャンパス 本社の衛星写真。地域情報サービス「Google Local」で表示した。緑豊かな敷地内にキャンパスがある。敷地内のビル周辺には駐車場があるが,社員が急増しているため,全員が車を停めるスペースがない。真ん中のカラフルな部分は,屋外カフェテリアだ。 (画像のクリックで拡大)

 米国カリフォルニア州マウンテンビュー市。サンフランシスコ空港からフリーウェー「101」に乗って30分ほど南下した所に,米Google Inc.は本社を構えている(図1)。サンフランシスコ湾に近い風光明媚めいびなその場所は,かつて米Silicon Graphics,Inc.のキャンパスだったという歴史がある。

 急成長するGoogle社の勢いは,通勤時間帯の様子をオフィスの前で観察するだけで感じられる。朝10時すぎになると,駐車場に入りきらないクルマの列ができる。ここ数年で社員が急速に増え,駐車スペースが足りなくなったためである。苦肉の策として,同社はホテルのように係員にクルマを預けて駐車してもらう仕組みを導入した。

 クルマ通勤を敬遠するエンジニアたちも多い。キャンパスにはこうした従業員のために,会社が手配した送迎バスが次々と入ってくる。中にはサンフランシスコから1時間ほどかけてやって来るバスもある。通勤途中でもエンジニアが仕事を続けられるよう,バスには無線LAN経由でインターネットにアクセスする機能が用意してあるという。

 キャンパスに足を踏み入れると,Tシャツにジーンズというラフな格好をしたエンジニアたちが,ノート・パソコンを抱えて忙しそうに行き来している。昼食時ともなれば,キャンパス内にあるカフェテリアは大混雑だ。中庭を見ると,ビーチ・バレーを楽しんでいる若者たちがいる。何の予備知識もなく連れて来られたら,多くの人はここを大学と勘違いするだろう。

6週間以上かけて採用

 こうした自由奔放な雰囲気の中で自分の技術を磨こうと,Google社への入社を希望するエンジニアは引きも切らない。ところがその望みがかなうのは,ごく一部だ。技術開発で世界の先端を走り続けるため,同社はえりすぐりの優秀なエンジニアしか採用しないためである。