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 キヤノンは2008年7月~9月期決算について,売上高が前年同期比6.2%減の9859億8900万円,営業利益は同25.8%減の1292億6600万円の減収減益になったと発表した(発表資料)。経済低迷の影響が,事業分野では事務機器から民生機器へ,地域では米国から欧州へと広がり,事務機事業とカメラ事業で減収減益となった。為替による影響は,売上高で322億円,営業利益で140億円のマイナス要因になっているとする。

 事業別の業績は以下の通り。プリンターなどを扱う事務機事業の売上高は前年同期比5.1%減の6510億200万円,営業利益は同12%減の1340億2000万円だった。インクジェット・プリンター複合機は東南アジアや南米,米国において販売台数が同5%増になるなど好調だった。一方,カラー複写機のうち高速機の販売不振による平均販売価格の下落,モノクロ複写機において欧米企業を中心とした設備投資の冷え込みの影響を受けたとする。

 カメラ事業は,売上高が前年同期比6.8%減の2497億7400万円,営業利益が同41.3%減の450億8800万円となった。デジタル・カメラについては,販売台数が同4%増になるも,売上高が同9%減と落ち込んだ。特に,コンパクト機の不調が大きいとする。中国を中心としたアジア地区では順調に販売を伸ばしたが,欧州では不況の影響が大きく現れ始め,販売数量の減少や急激な単価下落として業績を直撃したという。

 半導体製造装置などを扱う光学機器およびその他事業の売上高は前年同期比12.2%減の852億1300万円だった。液晶パネル製造向けの露光装置の販売台数は増えたが,半導体用露光装置の販売台数が減少したためと説明する。営業利益は,同47%増の34億5400万円と増収になった。

 キヤノンは,米国や欧州における経済の低迷から,通期(2008年1月~12月)の業績について,2008年7月に発表した予測を下方修正した。売上高は前回予想を3400億円下回る4兆2500億円,営業利益は同じく1900億円下回る5800億円とする。前年と比べて売上高は5.2%減,営業利益は23.3%減とし,9年ぶりの減収・減益を見込む。同社 常務取締役 経理本部長の大澤正宏氏は「今回は50年,もしくは100年に一度の世界的な景気の停滞。業績悪化に対して自社だけでカバーできる範囲は超えている」とした。同社では,引き続き経費削減などの内部努力や,投資の絞込みなどを続けていくとする。