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AT&T社のHank Kafka氏(写真:小池良次)
AT&T社のHank Kafka氏(写真:小池良次)
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 米アトランタ市で開催中のイベント「LTE USA」で,米国最大の携帯電話事業部門を抱える米AT&T Inc.,Architecture,Vice PresidentのHank Kafka氏が,同社のLTE(long term evolution)戦略について講演した(Tech-On!関連記事)。

 Kafka氏はAT&T社が,LTEを同社のIPインフラ戦略の一環と位置づけている,と説明した。携帯電話事業向けの単なる新技術ではなく, IPTVや有線,無線を含むブロードバンド・サービスを提供するための手段の一つだと考えている,という。「我々は,標準化されたインフラを使い,有線,無線を問わず,いつでも,全ての機器にサービスを提供しようと狙っている」(同氏)。具体的な取り組みとして,AT&T社はIMS(IP multimedia subsystem)仕様に基づいて同社が開発中の「CARTS(common architecture for real-time services)」のアーキテクチャに,LTEサービスを組み込む計画であるとした。同社は既にCARTS上でIPTVサービスを提供しているという。

 LTEサービスの実施計画についてKafka氏は, 2010年に試験運用を行い,2011年から商用サービスを開始するという計画に変更はないとした。同社が取得済みの700MHz周波数帯を使うことで,米国の人口の87%をカバーができるとする。ただし,LTEサービスで想定するデータ通信の実効速度は明らかにしなかった。「サービス開始前なので,実効データ速度は見積もれない」とした。

 AT&T社は現行の3G規格W-CDMAの改良版であるHSPA(high speed packet access)サービスを2008年から開始している。2009年には,HSPAの改良版であるHSPA+サービスも導入予定である。Kafka氏は講演のなかで,「HSPAやHSPA+は(基地局に)アンテナを加えるだけで,高速化が可能で,幅広い地域を良いコスト効率でカバーができる」とHSPAやHSPA+を高く評価した。また,LTEの周波数利用効率の高さを指摘し,HSPAやHSPA+を上回るコスト効果があると主張した。

 Kafka氏の講演は,LTEへの取り組みだけでなく,同社のHSPAやHSPA+の導入を強調した内容だった。このことはAT&T社が,初期段階では必ずしも積極的にLTEを導入しない可能性を示唆すると考えられる。