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図1
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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ソフトバンクは2008年10月29日,2008年度第2四半期の決算説明会を開催した(プレゼン資料とストリーミング配信,図1)。

 本発表会は,当初予定から1週間前倒しして開かれた。「当社の経営を不安視する声に応えた」(同社 代表取締役 社長の孫正義氏)。同日のソフトバンクの株価は3カ月前の半分以下の水準,債券のリスク指標の一つであるCDS参考値は900という極めて高い水準になっていた。

 こうした株式・債券市場の評価に対して孫社長は,「創業以来最高の利益水準」である上半期の業績を示した上で,「勘違い」「フリーキャッシュフローが大きく改善。今後も強含み」であると強調した。

 2008年度上半期の連結業績は以下の通り(図2)。カッコ内は前年同期比。売上高の減少は,携帯電話機の売り方に割賦を導入したためである。

 売上高     1兆2389億円(2.6%減)
 償却前営業利益 3355億円(6.8%増)
 営業利益    1800億円(7.3%増)
 営業利益率   13.5%(1.3ポイント増)

 2008年度のフリーキャッシュフローについては,約3000億円改善した1400億円,2009年度は2500億円になるとみている(図3)。2008年度のそれは日本企業の中でもトップ20社に,2009年度はトップ10社に入れる水準という(図4)。

 経営不安説の一つに,ボーダフォンの買収に向けて「銀行団と交わした借入金の返済計画をまっとうできないのではないか」というものがあったが,孫社長は「約束を大きく上回るペースで返済している」とした(図5)。さらに社債償還についても,2009年度の償還スケジュールと,手元の流動性資金,そして前述のフリーキャッシュフローを示して,全く問題ないとした(図6)。

 このほか,主要な内容を以下に記す。

・7~8年ぶりに業績見通しを開示(図7)。「単なる予想でなくコミットメントに近いもの」(孫社長)。その中に売上高を加えなかったのは,「仮に割賦販売を一部変更したら売上高の前提が変わるから。我々も最も重視する経営指標はフリーキャッシュフロー」(同氏)。

・すべての事業セグメント別で,償却前営業利益および営業利益が創業以来最高。NTTとKDDIが収益性の悪化に苦しむ固定通信でも,償却前営業利益率が18%前後に向上している(図8)。

・景況が悪化する中でもフリーキャッシュフローが増えるとしている理由の一つは,インフラ事業ゆえに収益がブレにくいこと。「足元の動向を注視しているが,通話時間やデータ通信量は減っていない」(孫社長)。

・割賦販売を始めてまもなく2年が経過し,携帯電話契約を打ち切られる件数が増えるのではないかという指摘に対しては,「正式開始前にテストとして小規模に割賦販売をしていた。その契約者はほとんど解約していない。『ただとも』から契約者が抜けにくいためだろう」(孫社長)。

・割賦販売期間が終了する(一般に新規契約から26カ月後)と「通話料に対する特別値引き(1000~2000円ほど)をせずに済む。これは来期の収益性を大きく高める」(孫社長)。端末の買い換えサイクルは,ボーダフォン買収当時の20数カ月から30数カ月に延びている。

・設備投資は今後,大幅な減少を見込む(図9)。「鉄塔の建設費用がほとんど発生しないから。今後は通信容量を増やすだけ。フェムトセルによるコスト削減効果も楽しみ」(孫社長)。

・現在2.5兆円ほどある有利子負債は,「10年経たずしてゼロにする。そうでなければ,私が一度も反したことがない人生の計画をまっとうできない。私は50代のうちに事業をある程度完成させる。その上で無借金と持続的な収益性の実現は必須だ」(孫社長)

・不調がささやかれるiPhoneだが,「販売台数は予定のペース。ARPU(通信料の客単価)は一般の2倍近い。iPhoneは我々にとってもうかる端末だ」(孫社長)。

■訂正
記事中の一部金額の単位を誤っておりました。現在は修正されております。(10/31 19:50)