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図 会見に臨む,三菱電機 執行役副社長の佐藤行弘氏。「需要が減ったとしても,競争力のある製品を作れば受注は取れる」(佐藤氏)と,現場を鼓舞する発言もあった。
図 会見に臨む,三菱電機 執行役副社長の佐藤行弘氏。「需要が減ったとしても,競争力のある製品を作れば受注は取れる」(佐藤氏)と,現場を鼓舞する発言もあった。
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 三菱電機は2008年度中間決算(2008年4~9月)について,5年連続の増収増益と発表した(発表資料)。売上高は前年同期に比べて微増の1兆8983億円,営業利益は前年同期比3%増の1333億円だった。売上高については,円高により500億円ほど影響を受けたと説明する。なお,2008年第2四半期(2008年7~9月)について,売上高は前年同期に比べて微増の1兆193億円,営業利益は前年同期比4%増の659億円で,いずれも第2四半期としては過去最高だった。

 2008年中間決算(2008年4~9月)の業績のうち,増収については,FAシステム事業などを扱う「産業メカトロニクス」部門,交通や発電,ビルなどの事業を手掛ける「重電システム」部門,空調機器や家電製品を扱う「家庭電器」部門が貢献したとする。増益要因としては,通信やシステム・インテグレーション,電子システム事業などを扱う「情報通信システム」部門,家庭電器部門,重電システム部門を挙げる。

 セグメントごとの業績は以下の通り。

 産業メカトロニクス部門の売上高は前年同期比3%増の5055億円,営業利益は同10%減の599億円だった。上半期前半は韓国や台湾でのFPD関連や国内の実装機関連,日系メーカーに向けた自動車関連が順調だったとする。減益については,対バーツの円高が影響したとする。

 家庭電器部門の売上高は前年同期比1%増の5208億円,営業利益は同10%増の423億円だった。欧州全体での太陽光発電システムやビルなどに用いるパッケージ・エアコン,国内の家庭用エアコンや冷蔵庫が伸びた。一方,スペインやイタリアでは天候不順により家庭用エアコンが不調だった。

 重電システム部門の売上高は前年同期比3%増の4517億円,営業利益は同8%増の252億円だった。国内外の発電事業等が伸長したとする。

 情報通信システム部門の売上高は前年同期比4%減の2700億円,営業利益は同18倍の96億円だった。携帯電話機端末事業の縮小によって,売上高が減少するも増益に貢献したとする。

 電子デバイス部門の売上高は前年同期比6%増の1004億円,営業利益は同42%減の35億円だった。鉄道などに向けのパワー半導体や民生品向けの液晶事業が伸びたものの,半導体の価格下落などの影響を受け,減益となった。

 2008年通期の業績予想について,「ここ数カ月の経済の急激な変化は,経営努力で吸収できる範囲を越えている」(三菱電機 執行役副社長の佐藤行弘氏)として,2008年7月の発表値から下方修正した。売上高は前年度比4%減の3兆9000億円,営業利益は同18%減の2200億円である。前回の発表では,それぞれ4兆500億円と2680億円だった。営業利益の減少分のうち,400億円分は産業メカトロニクス部門によるものとする。現時点でFPD関連の需要が落ちていること,下期に回復すると見込んでいた半導体関連で回復が見られないこと,自動車関連の設備投資が引き続き抑えられていることなどから,下期は厳しいと予測する。

 今回発表の予想値では,売上高に対する営業利益率は5.6%。同社では中期経営計画で営業利益率5%を掲げている。「第2四半期までは比較的順調だった。通期でも営業利益率5%以上は何とか達成したい」(佐藤氏)とする。今後を支える製品として特に注目するのは,太陽光発電システムである。2007年度の売上高は500億円だったが,2008年度は580億円弱に伸びると予想している。欧州に加えて,米国のカリフォルニア,国内の産業向け用途などで需要が増加しているという。同社では,セルの年間生産能力を2008年10月には220MW,2011年度中には600MWに増強すると発表しており,今後の需要拡大に向け準備を進めているとする。