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発表時のデモの様子

 ニコンは,2008年10月7日に,ヘッドホンと単眼式のHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)を搭載した携帯型AVプレーヤー「UP300x」「UP300」を発表した(関連記事)。表示画面として0.44型VGA(640×480画素)の透過型LCOS(liquid crystal on silicon)を採用する。一般的なヘッドホンとほぼ同じ形状の本体に,音楽や動画の再生機能を果たすプレーヤーや操作部分,データ保存用の内蔵メモリ,電池,無線LANモジュールやアンテナといった無線通信機能など,すべての要素を搭載している。本体から他の装置などにつながる配線は一切ない。両手が自由であるため,いつでもどこでも何かをしながら音声や動画ファイルを再生して楽しめるとする。

 この製品の最大の特徴は,やはりHMDを採用したことだろう。一眼式のHMDを搭載したUP300xの外観に,筆者と同世代の方であれば,つい「待ってました!」という感情が湧き上がるのではなかろうか。一眼式のHMDといえば,子供の頃,漫画やアニメの「ドラゴンボール」に登場する「スカウター」。焦点を合わせた人物について戦闘能力などの情報を表示するアレである。友人との会話の中で,スカウターを装着したフリをした覚えは一度や二度ではない。

 これまで数種類の民生用HMDが登場しているが,一般には普及していなかった。また,従来の製品は「狭い場所でも大画面を楽しめる」ことを打ち出したものがほとんどだった。今回のように,何かをしながら映像を見たりすることを売り物にするのは目新しい。ドラゴンボールに登場するスカウターは,現実にあるものの周囲の様子に重ねて別の情報を表示するものであり,まさに常時身につけ「ながら利用」するものだった。今回のUP300xはあくまでAVプレーヤーであり,もちろん相手の戦闘能力を表示する機能は持たないが,使い方としては比較的近い印象を持つ。

 報道陣に向けて貸し出し用試作機の用意があると聞き,早速,上位機種のUP300xを借りてみた。本当に動画の「ながらプレーヤー」は成立し得るのか。以下,筆者の独断と偏見で,実際に使ってみた感想をまとめてみる。