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・パソコンを使う
電子メールなどを書きながら,コンテンツを見る程度であればできそうと感じた。関係ないコンテンツを見る「ながら」の使い方もあるが,パソコンにつないだもう一台のディスプレイとして使うのが一番便利ではないかと感じる。今回,UP300xの画面に表示される文字を,パソコン上のテキスト・エディタを使って書き写す作業(実際には,メニュー画面に表示される項目,階層を書き出す作業)をしてみたところ,視線の動きが少なく,非常に作業しやすかった。パソコン用のディスプレイを2個使う場合など,片方のディスプレイとして使うと便利だと思う。あるいは単にメイン画面の延長として使うのではなく,表示する内容に応じて使い分けた方がいいのかもしれない。

 最後に,筆者の主観で,UP300xを「ながらプレーヤー」として使った感想をまとめてみる。HMDを使う際に懸念される「画像の見やすさ」「周囲から見たときの違和感」について,UP300xは問題ないと感じた。やはりQVGA画面などに比べるとVGAの画面はきれいで,単眼式であってもちょっと見る程度であれば,十分に映像を楽しめる。外観も一般のヘッドホンに近く,仰々しい製品ではない。電車内などの公共の場であっても,大音量で視聴したり,一人で笑い転げたりといったように,他人の迷惑になる状況でなければ,特に問題ないだろう。

 何かをしながら動画を視聴する「ながら視聴」について,両手を自由に使うことができても,本当に実行できる場合は限られると感じた。理由の一つは,視聴中のコンテンツに対する没入感がかなり高い点である。UP300xは背景に現実の景色も見えており,ある程度周囲の状況は分かるものの,それでもコンテンツの内容に集中すると,意外に背景など現実の景色は気にならなくなる。逆に言えば,コンテンツに集中していると,他の作業を行うのはかなり難しい。例えば筆者の場合,日本語のちょっとした情報番組であればそれほど集中しなくても良いので,動画視聴しながら他の作業ができる。だが,英語の情報番組となるとすぐには内容が分からないので,音声と画像情報に意識を集中することになり,ほかの作業はできなかった。もし作業を優先すれば,番組の内容があまり理解できなくなった。今回視聴したデモ用のコンテンツから判断する限り,(1)集中しなくても理解できるコンテンツ,(2)ユーザーの作業に関連したコンテンツ,であれば,ながらプレーヤーとして使えるだろう。

 「ながら視聴」が難しいもう一つの理由は,前述した位置ズレである。体を動かしながら使うと,HMDの表示位置がずれて画像が見えなくなってしまう。ちょっとした動作をしながら使うことを想定しているのであれば,何らかの対策が必要になるだろう。このほか,UP300xではヘッドホンを採用しているので,外部の音を聞く必要がある作業も難しいだろう。UP300xのカタログには,楽器の演奏をしながらUP300xを装着している写真があったが,生楽器の音をじかに聞き取るのは困難なはずだ。「人と会話しながらテレビを見る」といったように,ながら視聴では耳を使う場合が多い。個人的には,外部の音を聞きたいときと聞きたくないときで使い分けができれば良いのではないかと思った。

―― 終わり ――

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