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図1 Eye-Fi社 CEOのJef Holove氏(左)とアイファイジャパン 代表取締役の田中大祐氏(右)
図1 Eye-Fi社 CEOのJef Holove氏(左)とアイファイジャパン 代表取締役の田中大祐氏(右)
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 米国のベンチャー企業であるEye-Fi Inc.は,デジタル・カメラを無線LAN対応にできる機能を搭載したSDメモリーカード「Eye-Fi Share」を日本国内で販売する。2Gバイトのフラッシュ・メモリとIEEE802.11b/g仕様の送受信LSIを内蔵する。デジタル・カメラの記録媒体として使うと,撮影した写真を家庭内の無線LANを経由してパソコンに自動転送したり,写真共有サービスなどのWebサービスにアップロードしたりできる。

 同社の海外進出はこれが初めて。12月3日より先行予約を受け付ける。「技術適合マークを取得次第,年内にはユーザーの手元に届くようにしたい」(アイファイジャパン 代表取締役の田中大祐氏)。価格は9980円である。

 Eye-Fiの日本への進出の狙いと,カメラ・メーカーとの協業の方針について,Eye-Fi社 CEOのJef Holove氏に話を聞いた。(聞き手=浅川 直輝)



――米国でのサービスの広がりについて教えてほしい。

Holove氏 ユーザー数は明らかにしていないが,これまでに400万枚もの写真が我々のサーバーにアップロードされた。現在Eye-Fiのユーザーは,1ヶ月当たり平均7回,1回当たり10~20枚の写真をアップロードしている。

――米国に続く進出先に日本を選んだのはなぜか。

Holove氏 日本の消費者は,ガジェットや写真に対して比類ない情熱を持っている。多くのブロガーを抱え,オンライン・コミュニティーも盛んだ。日本におけるEye-Fiの潜在的な市場規模は,米国の1/3~1/2ほどとみている。人口比では米国より大きな市場だ。

 Eye-Fiカードは,米国でも展開している「Flickr」「Picasa」といった代表的なWebサービスに対応するほか,今後は日本で展開するWebサービスにも対応させる予定だ。まず,「はてな」への写真アップロードを実現したい。はてなは先進的なユーザーを多く抱えており,既にEye-Fiのオンライン・コミュニティーも存在する。米国でもそうだったが,一つずつWebサービスとの提携の実績を積み上げていく。

――カメラ・メーカーとの連携は考えているのか。

Holove氏 Eye-Fiカードとデジタル・カメラとの親和性を高める「"Eye-Fi Connected" Program」を進めている。既にニコンとはパートナーシップを組み,「D60」「D90」を"Eye-Fi Connected"にしてもらった。具体的には,Eye-Fiカードの挿入を自動検知して,データの無線伝送を妨げないよう,カメラ本体の電源の自動オフ機能を解除できる。このほか,飛行機内で電波を飛ばさないよう,メニュー画面から無線機能をオフにできる機能もつけた。

 さらにカメラとEye-Fiカードとの連携機能を強化するため,複数のカメラ・メーカーに話を持ちかけている。第1段階として,まずカメラの液晶画面に,Eye-Fiのデータ転送の進捗を表示できるようにしたい。現状では,ユーザーはカメラからEye-Fiのデータ転送の状況を把握する手段がない。我々は2008年中ごろから,写真の転送状況を電子メールなどでユーザーに伝えるNotificationサービスを始めたが,やはりデジタル・カメラから直接確認できた方が便利だ。第2段階として,デジタル・カメラのメニュー画面からEye-Fiカードを操作できるようにしたい。

 カメラ・メーカーにとっても,Eye-Fiとの連携には大きな利点がある。カメラ・メーカーは毎年多くの機種を発売している。そのすべてに無線LAN機能を付加するのはコスト面で困難だし,サポート体制も必要になる。我々が,Eye-Fiカードを通じて無線LAN機能やサポート体制を提供することで,カメラ・メーカーは容易に自社のカメラをネットワーク対応にできる。

――Eye-Fi社が「無線LAN機能付きSDメモリカード」の次に目指すのは何か。

Holove氏 我々のビジョンは,デジタル化した思い出を簡単にSaveし,Managedし,Shareできるようにすること。無線技術を使い,あらゆるデバイスから,いつでもどこでも思い出を記録,共有できるよう,クライアントやサービス,ネットワーク・インフラの開発を続ける。技術開発の方向については明らかにできないが,2009年のInternational CESには何らかの新しい発表ができるかもしれない。