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 東レは,炭素繊維複合材料の自動車分野での事業拡大を目指し,欧州でのCFRP(carbon fiber reinforced plastics)部品の開発・生産に乗り出す(発表資料)。CFRPメーカーであるドイツACE Advanced Composite Engineering GmbHに資本参加することで,CFRP部品の先行市場である欧州に拠点を構える。両社で技術を持ち寄って開発を進め,ACE社が生産・販売を担う。東レは当初,ACE社に21%出資し,CFRP部品市場の立ち上がりに合わせて出資比率を高めていくという。

 東レはこれまで,自動車向けCFRP事業では素材を中心に提供しており,成形加工済みの部品は国内の自動車メーカーにのみ供給していた。自動車向けCFRP部品事業の年間売上高は現在10億円程度で,CFRP素材を含めると100億円程度という。今後は,日本市場以上にCFRPの採用が進んでいる欧州市場に打って出ることで事業の拡大を狙う。2015年頃に自動車向けCFRP部品事業で500億円,自動車向けCFRP素材事業で300億円を売り上げ目標とする。自動車メーカーとの連携を深め,素材事業以上に部品事業を伸ばしていく方針である。

 CFRP部品は,採用すれば車体の大幅な軽量化につながるため注目を集めているが,成形時間が長く製造コストが高いため,現時点ではレーシング・カーをはじめとする一部の高級車種でのみ採用されている。東レは2008年10月に,CFRP部品を従来に比べて短時間で成形する技術を発表(Tech-On!関連記事)。今後,ACE社との技術交流などにより成形時間をさらに短縮し,量産車種への本格採用を目指す。