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東京都中央区のTDK本社(2009年1月8日撮影)
東京都中央区のTDK本社(2009年1月8日撮影)
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 TDKは,2008年度(2008年4月~2009年3月)の業績予想を下方修正した(発表資料)。連結売上高は2008年10月に発表した前回予想の7950億円から6730億円(前年度比22.3%減)へ引き下げ,営業損益は350億円の黒字から260億円の赤字へ転換した。前年度の営業利益870億円から大幅に悪化している。なお,2008年10月から連結対象となったドイツEPCOS AGに関しては(Tech-On!関連記事),2009年1月時点で独立した上場企業であるため,この予想には含めない。

HDD用ヘッドに急ブレーキ

 代表取締役社長の上釜健宏氏は「2008年11月から予測をはるかに超えて受注が減り,惨憺たる結果になった」と話す。工場操業度は全社平均で2008年11月が70%程度,12月は50%程度,2009年1月は正月休暇の影響もあって30%程度まで落ち込んでいるという。11月までは堅調だったHDD用ヘッドは「12月に入って急ブレーキがかかった。現在は操業度が6割を切るか切らないか」(上釜氏)。世界経済の悪化でHDDメーカーが在庫低減に努めていることに加え,ミニノート・パソコンの台頭も影響している。「ミニノートには160Gバイト品など古い機種のHDDが搭載される。ディスク枚数の多い機種は需要が停滞し,値引きも激しい」(同)。

 業績の悪化を受けてTDKは拠点や人員の整理を含めた緊急対策を発表した。緊急対策の第一に挙げたのは「不採算製品撲滅」である。「不採算事業ではなく,不採算製品。どの事業にも利益の出ない製品はある。これらを今がチャンスと考えて撲滅する」(上釜氏)。具体的には限界利益が10%以下の製品から撤退する。限界利益とは売上高から変動費(材料費や直接労務費)を差し引いたもので,これが10%以下では営業損益ベースで赤字になるという。

国内派遣1000人強を含む世界8000人を削減

 拠点の整理にも着手する。海外工場4カ所および研究開発拠点1カ所を閉鎖する予定。さらに,操業度が著しく低下しているコンデンサ事業で生産拠点の集約を進める。コンデンサ関連工場の稼働率は現在,ピーク時の1/2程度まで低下しているという。

 従業員も国内の派遣社員1000人強を含め,全世界で8000人以上を削減するとした。材料加工を担う中国工場を中心に削減する。国内の正社員に関しては「手をつけないで済ませたい思いがある。差別と言われると困るが,日本と海外では労働流動性に差がある」(専務執行役員の江南清司氏)。

本流から外れた開発はやめる

 一般販売管理費は200億円以上削減し,1200億円を目標とする。目標値の根拠は,年間売上高8000億円規模まで回復した場合に,一般販売管理費をその15%程度に抑えられる体質を構築したい,というもの。研究開発費は5%程度とし「本流から外れた開発は中止または縮小する」(上釜氏)。

 これらの施策に関わる費用は150億円,施策による営業損益の改善効果は629億円を見込む。「2008年11月~12月のレベルで業績が推移すれば年間売上高は5400億円,営業損失は470億円になってしまう。どうやって血が出ないようにするか。そのための緊急対策」(江南氏)。緊急対策は一部を除き,2009年3月末までに完了する。TDKはさらに,今回発表以外の追加施策も検討しているという。