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薄型テレビとパソコンは前年同月比で台数は伸びたものの金額では前年割れとなった
薄型テレビとパソコンは前年同月比で台数は伸びたものの金額では前年割れとなった
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ミニ・ノートの台数構成比は25%で横ばい。平均単価はそれぞれ2008年10月から下落傾向
ミニ・ノートの台数構成比は25%で横ばい。平均単価はそれぞれ2008年10月から下落傾向
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 市場調査などを手掛けるBCNは2009年1月15日,主要なデジタル家電製品(薄型テレビ,レコーダー,デジタル・カメラ,パソコン)について,2135店舗の大手家電/パソコン販売店のPOSデータを集計したBCNランキングから見た2008年12月の市場動向(国内)を発表した。

 それによると全体として販売台数は前年同期比を上回るものがあるが,金額ベースでは前年割れが目立った。台数・金額ともに伸びを示していたこれまでの年末商戦と比べると「平均単価の下落が大きく,台数の伸びが市場拡大に結びつかない傾向だ。景気後退の影響が色濃く現れた」(BCNアナリストの道越一郎氏)結果となった。

 まず薄型テレビは,台数では前年同月比115.6%ながら,金額では97.3%と前年割れとなった。2008年に金額で前年割れとなったのは10月に続いて二度目となる。平均単価も下落しており,「今後さらに値崩れする可能性もある」(道越氏)という。

 薄型テレビのうち構成比で91.6%(2008年12月)を占める液晶テレビは,金額ベースで100.6%とからくも前年レベルを維持した。しかし,構成比8.4%(同)のPDPテレビは,台数で91.3%,金額で79.0%と大きく前年割れした。2008年のPDPテレビは9月に台数ベースで,集計を開始してから初めて前年割れ(95.7%)し,その後持ち直したかに見えたが,12月に大きく落ち込んだ。「PDPテレビは新たな用途提案が求められる」(同氏)とした。

 液晶テレビの売れ筋製品を見ると,2008年12月の販売台数シェアのトップ20内に,半年以上前に発売された旧モデルが15製品(台数構成比で75%)含まれていることがわかった(2007年12月は旧モデルの台数構成比は57.9%)。安価な型落ちモデルが売れ筋となり,金額の伸びにつながらなかったとする。

 画面サイズ別の構成比(液晶+PDP)では,12月の台数ベースで30~40型が47.7%を占め,次いで30型未満が30.3%。メーカーが期待していた40~50型は19.7%と,2割目前で足踏みが続いている。メーカー別の台数シェア(12月)は,シャープの首位(43.8%)は変わらないものの,ソニー18.8%,パナソニック15.7%,東芝12.4%と2位争いが激化している(5位は日立で4.4%)。

レコーダーはDVDからBDに切り替わる

 Blu-ray Disc(BD)またはDVDドライブを搭載したレコーダーは,12月は台数で102.4%,金額で110.9%とプラスを維持した。しかし,北京オリンピックが開催された8月をピークに台数・金額ともに下降が続いている。

 全体の構成を,BDレコーダーとその他レコーダーに分けて見ると,12月はBDレコーダーの台数構成比で64.4%,金額構成比では77.4%と年末商戦でBD普及に拍車がかかった。道越氏は「レコーダーはほぼBDに切り替わったと言ってもよい」と明言した。

 BDが普及した要因として同氏は「BDレコーダーの価格が下がったこと」を挙げた。8万円未満のBDレコーダーは,2008年9月には台数構成比で1.5%しかなかったが,10月17.7%,11月30.0%,12月41.0%という具合に急増している。旧レコーダーとの価格差が2~3万円に縮まったことが,BDへの移行を促進したとする。

 苦戦が続くデジタル・カメラは台数で93.8%,金額では81.8%と20%近い減少となった。2008年間で見ても,台数・金額ともに前年割れの月が多かった。特にコンパクト・カメラは金額では毎月前年割れとなり,かなり厳しい市場になっている。

 デジタル・カメラの台数構成比では,コンパクト・カメラが87.2%に対して,一眼タイプ(パナソニックのLumix G1を含む)が12.8%と初めて1割を超えた。実際,一眼タイプは台数で145.8%と大きな伸びを示している。しかし,金額では93.0%と,11月(98.0%)に続いて前年割れとなった。「まもなくモデル・チェンジを迎えるエントリー機が値下がりしたぶん台数は伸びたが,金額が落ち込んだ結果になっている」(同氏)。

 コンパクト・カメラのメーカー別台数シェアは,キヤノンが22.1%で首位。続いて,カシオ14.0%,ソニー13.9%,富士フィルム12.9%,パナソニック11.4%,オリンパス10.1%と僅差の争いになっている。パナソニックは2008年3~5月には首位だったが,その後減速傾向にある。「一眼タイプのG1に注力したのではないか」と道越氏は推測する。

ミニ・ノート台頭でA4の低価格化が進む

 パソコンでは,12月にノート・パソコンの台数構成比がついに8割を超えて,80.7%となった。特に,「ネットブック」などと呼ばれる低価格ミニ・ノート(BCNの定義では液晶パネルが10.2型以下のノート・パソコン)が好調だったために,パソコン全体でも2008年3月以降,台数ではずっと前年同月比でプラスが続いている。

 しかし,年末商戦では薄型テレビと同様に台数は伸びたが,金額が前年割れという状況になった(台数は123.4%,金額は91.6%)。道越氏は「ミニ・ノート効果が薄れてきた」と分析する。

 ノート・パソコンだけを見ても,2008年8~11月は台数・金額ともにプラスが続いていたが,直近の12月は台数で136.1%に対して金額では98.6%と前年割れした。単価の下落が金額の減少につながっている。10月には10万700円(税別,以下同じ)だった平均単価は,12月には9万1400円と下げた。

 ノート・パソコンの平均単価をサイズ別(B5,A4,ミニ・ノート)に分けて見ると,それぞれ10月から下落傾向が続いている。10月はB5が17万9600円,A4が11万6600円,ミニ・ノートが4万8800円だったのに対して,12月はB5が16万2500円,A4が10万5600円,ミニ・ノートが4万6900円となった。A4が10万円を切るのも時間の問題だ。

 なおサイズ別の台数構成比は,A4が71.6%,ミニ・ノートが25.6%,B5は2.8%となっている。ミニ・ノートは10月以降25%前後で推移しており,「ミニ・ノートをモバイル利用するユーザー層にある程度行き渡った感がある」(BCNの森英二氏)とする。

 ミニ・ノートのメーカー別台数シェアでは,首位のASUSTeK社(38.2%)と2位の日本エイサー(29.5%)で全体の約7割を占める。続いて,SOTECブランドのオンキヨーが6.7%,日本HPが6.2%,工人舎が4.4%となっている。

 今後の見通しについて森氏は「ミニ・ノートが画面サイズの向上,メモリ・HDD容量増大,Office搭載といった具合に高性能化することで,A4ノートと本格的に競合する」と予測した。