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 こうした生産量の拡大によって,投影型静電容量方式のタッチ・センサの価格下落は,今後抵抗膜方式より速いペースで進む可能性がある注5)

注5) 投影型の場合,抵抗膜方式のタッチ・パネルなどと異なり,容量変化に伴う電荷や電圧の変化を検知する制御ICが必要になる。投影型は抵抗膜方式に比べると,「形成する電極パターンも複雑」(あるタッチ・パネル・メーカー)。そのため,パネル・メーカーとICメーカーが協力してモジュールを製造し,機器メーカーや液晶パネル・メーカーに納める場合が多い。電磁雑音対策が必要など機器の設計による部分が多く,「機器ごとのカスタム品のようになっている」(複数の機器メーカーや制御ICメーカー)という。

液晶パネル・メーカーも本腰

 機器メーカーにとっての選択肢の増加は,静電容量方式によってのみもたらされるわけではない。液晶パネル・メーカー各社が,この分野に参入して,さまざまな製品を今後投入する(図6)。

図6 タッチ・センサを内蔵した液晶パネルが続々 大手パネル・メーカーがタッチ・センサを内蔵した液晶パネルの開発に力を入れ始めた。通常の液晶パネルにタッチ・センサを外付けする場合に比べて,薄く,低コストにできるためだ。例えば,TMDは光学方式のタッチ・センサを採用する(a)。画素内に形成した低温多結晶Siのフォトダイオードで光の変化を検知し,入力したかどうか判断する(b)。Samsung社は抵抗膜方式タッチ・パネルを内蔵した液晶ディスプレイを試作した(c)。画素内に追加したコラム・スペーサとTFTアレイ上の電極で抵抗スイッチを構成している(d)。セイコーエプソンやAUO社,LG Display社などは静電容量方式のタッチ・センサを内蔵した液晶パネルの研究開発を進める。
図6 タッチ・センサを内蔵した液晶パネルが続々 大手パネル・メーカーがタッチ・センサを内蔵した液晶パネルの開発に力を入れ始めた。通常の液晶パネルにタッチ・センサを外付けする場合に比べて,薄く,低コストにできるためだ。例えば,TMDは光学方式のタッチ・センサを採用する(a)。画素内に形成した低温多結晶Siのフォトダイオードで光の変化を検知し,入力したかどうか判断する(b)。Samsung社は抵抗膜方式タッチ・パネルを内蔵した液晶ディスプレイを試作した(c)。画素内に追加したコラム・スペーサとTFTアレイ上の電極で抵抗スイッチを構成している(d)。セイコーエプソンやAUO社,LG Display社などは静電容量方式のタッチ・センサを内蔵した液晶パネルの研究開発を進める。 (画像のクリックで拡大)

 液晶パネル・メーカーが開発しているのが,タッチ・センサの機能を内蔵した液晶パネルである。液晶パネルの低価格化が進む中,タッチ・センサという付加価値によって価格の下落ペースを抑えようというのが狙いである。

 こうした技術自体は数年前からあるものの,タッチ・センサ搭載機器の増加に応じて開発に本腰を入れ始めた。

 内蔵型は,センサをパネル内に作り込むことで,外付けのタッチ・センサを不要にする。タッチ・センサを外付けする場合に比べて,パネル全体を薄型化できる,透過率の低下を防げる,組み立て工数が減るためコストを低下できる,などの利点があるという。

 例えば韓国Samsung ElectronicsCo.,Ltd.は,タッチ・センサ機能を持つ12.1型液晶パネルを開発した。タッチ・センサを張り付けた従来式に比べて液晶モジュールの厚さが7.8mmから4.8mmに薄型化したという。