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 各社の内蔵型が採用しているタッチ・センサの方式は,抵抗膜と静電容量,画素内に形成したフォトダイオードで光の変化を検出して指による入力を検知する光学の三つである。抵抗膜方式は台湾AU Optronics Corp.(AUO社)やSamsung社,韓国LG Display社などが,静電容量方式はセイコーエプソンやLG Display社などが研究開発を進めている。

 光学方式に関しては,東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD),シャープ,ソニー,LG Display社が手掛ける。光学方式であれば,スキャナー機能を付加できる。例えば,タッチ・センサ内蔵の液晶パネルを新聞や本などにかざして,文章をスキャンすることができる。こうしたパネルの開発に,シャープやTMDなどが取り組んでいる。

信頼性と歩留まりなどに課題

 シャープはタッチ・センサ機能を内蔵した液晶パネルの量産を2008年に,TMDは2009年内の量産を目標にしている。しかし,本格的に量産されるのには,しばらく時間がかかりそうだ。信頼性や歩留まりの向上という課題を抱えているためである。

 実際,TMDは「従来の液晶パネルは指で何回も押すことを想定して設計されていない。内蔵品では,今までよりもさらに高い信頼性が求められる。評価方法も内蔵品に合わせた基準に変更し,きちんと評価する必要がある」と言う。

 また,歩留まりに関しては,「量産化に移行するには,まだ低過ぎるのでは」(ある大手タッチ・パネル・メーカー)という指摘もある。

もっとリアルな感触に近づく

 タッチ・センサは今後,普及とともに技術的な進化を遂げる。進化の詳細は第2部(1/27公開予定)で紹介するが,重要なのは,各種方式のタッチ・センサに共通した課題を解決するための技術開発が進展することである。

 ここで言う課題は大きく二つ。一つは,機械式スイッチと異なり操作時に押した感触がないこと。もう一つが,タッチ・パネルの場合,指で触った部分の表示内容が見えにくくなることである。

 「押した感触が得られない」という課題に対しては,振動を通じて触覚的なフィードバックを人に伝える技術の採用や,その研究開発が進んでいる。触覚をユーザーに伝えることで,「タッチ・パネルを使う体験をもっと豊かにできる可能性がある」(Cooper社のCronin氏)。