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 例えば実際の物の感触を,画面を通じて人に伝えられるようになれば,インターネット通販で肌触りを確かめた上で洋服を購入できるようになる。また,タッチ・パネル付きのショー・ウインドーで商品に関する情報を眺めながら,情報窓を指で操作して買い物ができる。タッチ・センサを押している指の力の強さを検知して,指で絵を描いたり,ゲームに応用したりすることができるようになるかもしれない。

 このように,タッチ・センサというデバイスをうまく使いこなせば,ボタン操作をベースにしたこれまでの機器にはないアプリケーションを開発できる。

適材適所の使いこなしが肝心

図9 適材適所の使いこなしが重要 タッチ・センサを多用すると,かえって操作性などが悪くなる場合がある。従来の入力デバイスとの使い分けが重要である。電子メールの文章を書くのは,テンキーの方が速く入力できる。タッチ・パネルを使った直感的なユーザー・インタフェースを売りにする携帯電話機でも,テンキーや十字キーを残している機種が多い。例えば,NTTドコモのスライド式携帯電話機「HT1100」(HTC社製)は,画面上で指をなぞれば,簡単に画像やWebサイトをスクロールできる。一方,文字入力は,テンキーを使う。
図9 適材適所の使いこなしが重要 タッチ・センサを多用すると,かえって操作性などが悪くなる場合がある。従来の入力デバイスとの使い分けが重要である。電子メールの文章を書くのは,テンキーの方が速く入力できる。タッチ・パネルを使った直感的なユーザー・インタフェースを売りにする携帯電話機でも,テンキーや十字キーを残している機種が多い。例えば,NTTドコモのスライド式携帯電話機「HT1100」(HTC社製)は,画面上で指をなぞれば,簡単に画像やWebサイトをスクロールできる。一方,文字入力は,テンキーを使う。 (画像のクリックで拡大)

 もちろん,既存の入力デバイスをやみくもにタッチ・センサに置き換えればいいわけではない。タッチ・センサを使うだけでは,かえって操作性を損ねてしまう場合もある。機器ごとの特性や利用状況を想定し,従来の入力デバイスと使い分ける必要がある(図9)(次ページの「タッチ・センサ使いこなしの注意点」参照)。

 携帯電話機であれば,「電子メールの文章を入力するのはテンキーの方が速い」(NTTドコモ)。デジタル・カメラでも,「キー操作とタッチ・パネル操作を併用する方が使いやすい」(松下電器産業)。例えば,タッチ・パネルにするとボタンのアイコンを大きくする必要があり,限られた画面サイズでは表示できるアイコンの数が少なくなる。このため,「メニューの一覧性が落ちるので,(撮影設定を変更できる)メニューなどはキー・ボタンで操作するようにした」(同社)という。

 携帯電話機などのユーザー・インタフェース開発にかかわるソフトディバイス 代表取締役CTOの八田晃氏は,現実の動作を操作法に応用するジェスチャー操作について,こう述べる。「何もかもジェスチャー操作にするのではなく,製品の特徴など,ユーザーに魅力を伝えたい部分にジェスチャーを使うのがよい」とする。適材適所の使い分けが,タッチ・センサ搭載の成功への道である。