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 米iSuppli Corp.は,2008年におけるデジタル・テレビ向け半導体の売上高が前年比で1.1%減少し,79億5000万米ドルになるとの見通しを発表した(発表資料)。過去数年間わたり,デジタル・テレビ向け半導体市場は急速な成長を遂げてきた。この成長を牽引してきたのは,新しいディスプレイ技術を採用する製品への移行や,高解像度および高性能の画像処理による機能が豊富な製品の増加である。同市場は2008年初め,オリンピックに向けた需要などによって順調に推移したが,2008年後半の世界経済の後退によって,出荷数と売上高が減少した。

 2008年のデジタル・テレビ向け半導体市場にとって,売上高の減少以上に大きな出来事として,iSuppli社は台湾のICメーカーの台頭を挙げる。台湾のICメーカーは2008年に,DVB-T規格に対応するデジタル・テレビ向けでシェアを拡大した。2007年にデジタル・テレビ向けIC市場とテレビ向けマイクロプロセサ市場で首位に立っていたのは米Trident Microsystems, Inc.だが,2008年に両市場の首位に立ったのは台湾メーカー。デジタル・テレビ向けIC市場では台湾MediaTek Inc. が,テレビ向けマイクロプロセサ市場では台湾MStar Semiconductor, Inc.が首位になった。さらに,台湾Himax Media Solutions, Inc.や台湾Novatek Microelectronics Corp.といったメーカーも,デジタル・テレビ用のビデオ・プロセサ市場に参入する計画という。台湾メーカーの台頭の背景には,競争が激化するテレビ市場において,コスト管理が最優先事項になっていることがあるとiSuppli社は分析する。

 ディスプレイ向けドライバIC市場も,2008年後半の景気後退の影響で低迷した。特に大型のフラットパネル・ディスプレイの生産が低迷したため,大型パネル向けドライバICの需要が減少した。iSuppli社によれば,ディスプレイ向けドライバICの大手メーカー数社は,2008年のディスプレイ向けドライバICの出荷数が前年と比べて大幅に減少し,デジタル・テレビ向けICの出荷数および売上高も2009年初めまでは減少傾向が続くと予測しているという。

 ただし,今後のテレビ向け半導体市場については,楽観要因もあるとiSuppli社は主張する。半導体が多く使われる薄型テレビは,2008年の1年間を通して市場に占める割合が伸び続けた。2008年には,120Hz駆動やLEDバックライト,HDTV映像の無線伝送といった新しい技術を搭載した,フルHD対応のテレビの出荷台数も増えた。このような新技術の投入に加えて,地上デジタル放送への移行が進むことも,1台のテレビに使われるICの数を押し上げる。こういった機能や性能の強化は,今後もICの使用点数を増やし続けると,iSuppli社は説明している。