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 インターネットのコンテンツ配信ネットワーク(CDN:contents delivery network)を手掛けるアカマイは2009年1月21日,米Microsoft Corp.のRIA技術「Silverlight」を利用して,HD動画をインターネットを通じて配信するインフラ「AdaptiveEdge Streaming for Microsoft Silverlight」を構築,企業向けに提供すると発表した。アカマイの親会社である米Akamai Technologies社とMicrosoft社が共同で開発を手掛けた。

 「米国のオバマ大統領の就任式に伴い,Akamai社のネットワークを流れるトラフィックは2Tビット/秒に達したことが象徴するように,今後HD動画のストリーミングがインターネットにおいて重要な意味を持つ」(アカマイ 代表取締役社長兼Akamai社Vice Presidentの小俣修一氏)。それを実現するには,(1)テレビのチャンネルを見るように動画を切り替えて表示できる技術,(2)コンテンツ管理や配信を容易にする技術,(3)視聴者にとって使いやすい画面を容易に構築できるようにする技術,が必要であるという。

 (1)のために,具体的にはMicrosoft社のWebサーバー・ソフトウエア「Internet Information Services 7.0」(IIS7)のオプションとして,「IIS7 Smooth Streaming」を共同で開発した。これを各ISPに配置したAkamai社の「Edge Servers」および「NetStorage」に導入する。これとAkamai社のCDN技術を組み合わせて利用する。コンテンツ事業者は動画コンテンツをAkamai社の配信サービスに投稿する。視聴者がそのコンテンツを見ようとすると,事業者が投稿したサーバーではなく,視聴者の近くにあるEdge Serverにアクセスする。Edge Serverに該当のコンテンツが存在しなければEdge ServerがAkamai社のサーバーにアクセスして受信し,キャッシュとして蓄える。次回以降,別の視聴者がコンテンツを閲覧しようとしたときには,キャッシュ・データを利用して配信するので,ネットワーク的に遠いネットワークにアクセスせずに済むようになる。

 Edge Serverは既に4万台以上が950以上のISPのネットワークに配置されている。Adaptive Edge Streaming for Microsoft SilverlightはTech Preview版を同日から専用サイトで公開し,2009年3月にMicrosoft社が主催する「MIX 09」でライブ配信機能を含むベータ版公開,同年6月に正式サービスを開始する計画である。IIS7 Smooth Streamingは当面,Akamai社に独占供給し,「将来的にはIIS7の標準拡張機能として一般にも提供する」(マイクロソフト執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏)。

 また(2)と(3)のためには,映像再生用のアプリケーション開発キットを提供する。対応する配信技術はSilverlightだけでなく,米Adobe Systems Inc.の「Flash」にも対応する。配信するコンテンツやプレイリストの有無などを対話的に指定するだけで,コンテンツ再生用のプログラムを作成できる。