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 電子化が加速する自動車だけでなく,産業用ロボットや工作機器などメカトロニクスの分野にも複雑な電子制御システムが一般的に組みこまれるようになった。特に最近は,より高精度かつ高速な制御を実現するために,多くのセンサ信号を入力する複雑な制御システムが増えてきた。しかも,ほとんどがデジタル処理になっている。制御システムがデジタル化されたことで,計測に対するニーズも変化してきた。つまり,直感的なアナログ信号のモニタだけではなく,デジタル信号を取り込んで解析する機能が求められるようになっている。そこで今回は,デジタル制御を採り入れたメカトロ機器のデバッグや評価に役立つオシロスコープの機能を説明する。

メカトロ機器のデバッグに便利なオシロスコープの機能

 アクチュエータやモータなどを制御するメカトロニクス・システムの評価には,一連のメカ動作を確認するために長時間の波形観測が必要になる。センサの出力信号はメカ動作に近い比較的低速の信号だが,デジタル制御が普及した今日では,ユーザーは低速のアナログ信号と同時に高速のデジタル信号をモニタしなければならない。さらに回転ムラや制御動作を評価するために周波数解析が必要となることが多い。

 近年はメカトロ機器向けのミドルレンジ・オシロスコープでも最大125Mポイント(2チャネル使用時)ものロング・メモリを搭載した機種が登場している。

 125Mポイントという長いメモリ長があれば,125Mサンプル/秒でサンプリングしても1秒間もの長時間測定が可能だ。サンプル・レートを落とせばさらに長期間の信号も捕捉もできるので,制御入力からアクチュエータの駆動まで装置全体の動作を波形として観察することもできる。

 レコーダで記録した結果を見るように信号波形を観察したいならば,「ロールモード」という機能を備えた装置が便利である。ロング・メモリを搭載したオシロスコープでタイム・レンジを50ms/divぐらいまで広げると,画面の右から左に流れるように波形を表示する機能である。リアルタイムで波形を表示するだけでなく,高いサンプル・レートで捕捉した波形をロールモードで表示する機能を備えていれば,グリッチのような異常波形も確実に観察できる。レコーダでは得られない利点である。

 特に,メカ動作や制御回路の電源起動時など繰り返しの動作ではない中で発生する現象を観察する際には,1回の測定で長時間捕捉できる機能は極めて重要である。しかもデジタル信号の場合は,高いサンプル・レートで波形を捕捉しなければない。このためロング・メモリは,デジタル化の動きとともに必須の機能になりつつある。

デジタル制御回路のデバッグに便利なロジック入力

 近年はメカトロ機器でも一般的になったデジタル制御回路のデバッグには,ロジック専用入力を搭載したミックスド・シグナル・オシロスコープ(図1)が便利である。

図1 ミックスド・シグナル・オシロスコープ(横河電機のDLM2000)
図1 ミックスド・シグナル・オシロスコープ(横河電機のDLM2000) (画像のクリックで拡大)

 様々なセンサ信号,マイコン,DSP(digital signal processor)などプロセッサの制御信号を同時に観測する場合,一般的な4チャネルのアナログ入力だけでは入力が足りない。ロジック入力を使うことで,制御信号やデータバスなどのデジタル・コードをオシロスコープの画面上でモニタしたり,特定のデータでトリガをかけたりすることができるようになる。これによって,デジタル制御システムの問題点を,より確実に捕らえることができる(図2)。

図2 デジタル信号とアナログ信号の同時観測
図2 デジタル信号とアナログ信号の同時観測 (画像のクリックで拡大)

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