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図1  T3Sterのデモの様子。LEDをヒートシンクに実装した状態で,温度変化をリアルタイムで測定している。熱設計に関するリバース・エンジニアリングにも使えそうだ。
図1  T3Sterのデモの様子。LEDをヒートシンクに実装した状態で,温度変化をリアルタイムで測定している。熱設計に関するリバース・エンジニアリングにも使えそうだ。
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図2 熱抵抗(横軸)と熱容量(縦軸)のグラフの例。LED実装基板とヒートシンクの間にグリースを塗布するかしないかの差が表れている。なお,グラフ中で傾きが小さい部分はチップを固定するテープなどの部分,傾きが大きい部分はSiなど熱抵抗の小さな部分を示す。
図2 熱抵抗(横軸)と熱容量(縦軸)のグラフの例。LED実装基板とヒートシンクの間にグリースを塗布するかしないかの差が表れている。なお,グラフ中で傾きが小さい部分はチップを固定するテープなどの部分,傾きが大きい部分はSiなど熱抵抗の小さな部分を示す。
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 メンター・グラフィックス・ジャパンは,半導体を実装した状態での熱容量と熱抵抗を測定する装置「T3Ster」を,2009年1月22~23日にパシフィコ横浜で開催されている「Electronic Design and Solution Fair 2009」(EDSF)で展示した。半導体チップをパッケージに封止したものや,そのパッケージをプリント基板に実装した状態での熱抵抗と熱容量を測定する。従来は温度測定用のTEG(test element group)を埋め込んだチップを用意して実測する必要があったが,今回の製品では通常のチップで測定できる。各種半導体に使えるが,中でもSiPやLEDのパッケージ,基板の開発で需要があると見込む。「SiPではチップ温度状態によって積層の構成を調整する場合があるので,今回の製品が役立つと考えている」(説明員)。

 今回の製品の測定原理は以下の通り。半導体チップを実装した状態でチップに大電流を流して暖機した後,小電流を流す。チップ内で発生した熱は,温度の低いプリント基板やヒートシンクなどへと伝わっていくので,半導体チップに温度変化が生じる。この温度変化を調べることで,パッケージなどを構成する各素材の熱抵抗と熱容量をそれぞれ求める。温度は,チップ内のPN接合部における順方向電圧などの,温度感知パラメータ(TSP,temperature sensitive parameter)を測定して求める。電流を切り替えて1μ秒後から0.01℃単位で温度を測定することで高い精度を実現しているという。

 測定対象物の大きさにもよるが,熱抵抗と熱容量の測定時間は約10分程度とする。温度変化自体を測定するときは,あらかじめ測定対象物が一定温度になるまで暖機するキャリブレーションの時間が数十分かかる。なお,チップ全面の温度を測定するので,チップ上で局所的に発熱している部分(ホットスポット)の温度は測定できない。T3Sterは,Windowsを搭載したパソコンにUSBで接続し,専用のソフトウエアを用いて制御する。

 価格は1セット1000万円から。オプションとして,熱抵抗などと同時にLEDの光学特性を測定するための「TERALED」などを用意している。

 T3Sterは,ハンガリーのBudapest Univ.からスピンアウトしたMicReD社が開発した製品である。2001年から販売している。2005年からはMicReD社を買収した英Flomerics Group PLC.が取り扱い,2008年からはFlomerics社を買収した米Mentor Graphics Corp.が取り扱っている。世界中の主な半導体メーカーや大学などが顧客で,これまでに70台を販売した。韓国電機メーカーにも5台販売したという。これまで,日本ではあまり営業活動を展開していなかったが,今後,販売に注力するとしている。