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 スイスSynova社は,同社の保有する特許権をスギノマシンが侵害しているとして,関連製品の製造・販売の差し止めなどを求めて2008年5月9日に東京地方裁判所に提訴していたことを,2009年1月26日に明らかにした。

 Synova社の主張では,スギノマシンのレーザ加工機「Waterbeam Machine」は,Synova社の保有する日本の特許(特許第3680864号)を侵害しているという。一方,スギノマシンは,提訴されたのは事実とした上で「Synova社の特許権を侵害していない」(同社)という見解を示している。

Synova社が公表した理由は「営業活動を加速させたから」

 Synova社が今になって訴訟を明らかにした理由は,スギノマシンにおけるWaterbeam Machineの営業活動が係争中にもかかわらず加速しているように見えるからであると,同社の日本法人であるシノヴァ・ジャパンの神月靖氏は言う。同氏によると,スギノマシンがWaterbeam Machineを「JIMTOF 2008」(2008年10~11月開催)に出品した際は,スギノマシンは事前告知を行わず,開催後に同社のWebサイトなどで出展を報告する程度だったのに対し,2009年1月28~30日に開催される「第2回 レーザ&オプティクス 2009」(東京ビッグサイト)はWaterbeam Machineを出品することを同社のWebサイトで事前に公表しているとする。

 さらに,Waterbeam Machineの発売を報じる記事が,2009年1月23日付の日刊工業新聞に掲載されたことなどもあり,Synova社はスギノマシンが営業活動を加速させていると判断。従来は訴訟に関する発表を控えていたが,今になって公表することを決めたという。

スギノマシンは侵害を完全否定,「営業活動は継続する」

 このようなSynova社の動きに対し,スギノマシンでは営業活動方針を変更したり取りやめたりする予定はないとする。第2回 レーザ&オプティクス 2009へも予定通り出品する。「特許権を侵害していないと考えている以上,営業活動を変更したり中止したりする理由はない」(同社)。

 スギノマシンでは,Synova社の特許権を侵害していないという立場を取りつつも,まずは特許権の有効性を争う構えだ。Synova社の提訴を受けてから,スギノマシンは前出の特許第3680864号の無効審判請求を行った。この無効審判請求の審判はまだ出ていない。

 Waterbeam Machineは,数十μm径のノズルから噴射された液体の内部を,レーザが全反射しながら流れることで,加工用のビームを形成する装置。このビームにより金属や半導体の微細加工を行う。特許第3680864号は,液体とレーザを高効率で統合(カップリング)するための技術に関するものである。

 Synova社とスギノマシンの両社は以前,合弁会社設立に向けた交渉を進めていたことがあり,幾つかの展示会に両社名でレーザ加工機を出品していた。しかし,合弁会社設立の交渉は合意に至らなかったという経緯がある。