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北海道大学と日立製作所が開発した,半導体検出器を用いたヒト用のポジトロン断層撮影(PET)技術。分子イメージングに利用する新規画像診断装置の例として,シード・プランニングが挙げている。
北海道大学と日立製作所が開発した,半導体検出器を用いたヒト用のポジトロン断層撮影(PET)技術。分子イメージングに利用する新規画像診断装置の例として,シード・プランニングが挙げている。
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 市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは,分子イメージング市場の動向などに関する調査結果を発表した。この調査によれば,10年後の2018年における分子プローブの国内市場は,現在の3倍に当たる300億円の規模に成長するという。分子イメージングは,PET(ポジトロン断層撮影)やMRIなどの画像診断装置を用いて,ヒトや動物の生体内における分子レベルの挙動を画像化する技術。この技術を疾病診断に利用する際にカギを握るのが,各種の疾患の原因となる遺伝子やたんぱく質の活性制御を担う物質に結合する「分子プローブ」と呼ぶ標識化合物である。

 分子イメージングは,患者に負担なく(非侵襲),早期に疾患を診断できる技術として,今後の進展が期待されている。そのカギとなる分子プローブの国内市場は,2008年度に約100億円の規模だという。現在利用されている分子プローブの多くは,がん領域が中心だが,今後はアルツハイマー型認知症などほかの疾患に対する新規のプローブの臨床開発が進むことが見込まれるという。その結果,10年後には現在の約3倍となる300億円の市場に膨らむとする。

 分子プローブの開発動向に目を向けると,欧米企業が圧倒的に先行している。分子プローブの臨床開発を進めている企業の90%以上が,欧米企業であるという。このためシード・プランニングは,「国内において分子プローブを開発できるベンチャー企業の育成や,臨床試験の整備などが重要」と指摘する。

 分子プローブに対する取り組みでは遅れを取っている国内企業だが,分子イメージングで利用する画像診断装置の開発では幾つかの注目すべき事例が出ているという。その一例としてシード・プランニングは,オリンパスの消化器用蛍光内視鏡,島津製作所の乳房用PET,日立製作所の頭部用半導体PET(Tech-On!関連記事)などを挙げる。「日本の優れた要素技術を生かし,どれだけ診断に役立つ機能を付加した画像診断装置を開発・市場投入できるかが注目される」(シード・プランニング)と指摘する。