PR
図◎米国市場における日米主要メーカーの売上高成長率
図◎米国市場における日米主要メーカーの売上高成長率
[画像のクリックで拡大表示]

 米国自動車市場の急速な縮小と販売不振から、手元資金が底をついたGMとクライスラー。米政府は緊急救済措置として、それぞれに対し総額174億ドル(約1兆6000億円)のつなぎ融資を決定した。

 ガソリン価格が急騰、市場が大型車離れを起こすなか、低燃費車の開発に後れを取ったビッグスリーは、適切な対策を講じることができなかった。ビッグスリー凋落の直接の原因は、経営の誤りであるが、その背後に米国産業政策の影響があったことも見逃せない。

 米国では、連邦政府レベルで欧州や日本ほど厳しいレベルでCO2排出量規制や燃費規制が強化されることがなく、これがビッグスリーの大型車への過剰な依存を助長させた。もっとも、そのような状況は、近年、変わりつつある。米政府は、2007年に「エネルギー自立・安全保障法」を成立させ、22年ぶりに乗用車の燃費基準の引き上げに踏み切り、さらに環境対応車の開発援助を決定した。2009年1月26日、オバマ大統領は新しい燃費規制の策定に着手することを指示した。

大型車に優しい“環境”

 米国の環境政策に関して象徴的な出来事が、2001年の米国の「京都議定書」からの離脱である。その理由として、米国は「経済成長への悪影響」と「発展途上国に削減義務がない」ことを挙げた。

 環境対策のために新技術の開発や装置の導入をすると、それが米国産業界にとって新たなコスト負担になり、過度な省エネは生産活動の抑制につながりかねない。産業政策において国益の重視は当然であろうが、米国の環境やエネルギ政策の背後には、米国産業界の利益と国際競争力の維持があったことは明らかである。

 このような米国の産業政策の姿勢は、自動車の燃費規制(CAFE規制)にも表れている。

(この記事の詳細はこちら