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 ソニーは2009年1月29日,2008年度第3四半期(2008年10~12月期)の連結決算を発表した。売上高は2兆1546億円(前年度同期比24.6%減),営業損益は180億円の損失(同2362億円の利益)となった。主な営業損益の悪化要因として,対米ドルおよびユーロに対する円高,保有株式の評価損を挙げている。主力のエレクトロニクス事業に関しても,減収や減益となった製品分野が少なくない。

 同社執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏は,2008年度第3四半期の業績について「大変厳しいものになった」と振り返る。だが,同年度第4四半期はさらに厳しいようだ。

第4四半期は2500億円以上の営業赤字と予想

 同社は,今回の決算発表に先立ち2008年度通期(2008年4月~2009年3月期)の業績予想を2009年1月22日に下方修正している。このとき発表した,2008年度通期の営業損益は2600億円の損失(下方修正前は2000億円の利益)。一方,2008年度第1~3四半期累計では665億円の営業利益を確保している。つまり計算上,同年度第4四半期だけで2500億円以上の営業赤字を見込んでいることになる。この数字について大根田氏は「決して保守的に見積もっているわけではなく,これくらいの損失を覚悟しておく必要がある」と言う。

 その根拠はこうだ。大根田氏によれば,例年の同社の業績(営業利益)は第3四半期以降に上昇していく傾向がある。ところが2008年度に関しては,上昇するどころか下降している。この流れは「第4四半期以降も継続するだろう」(同氏)。エレクトロニクス事業では,事業環境の悪化に加え,為替(円高)の影響や構造改革費用の計上もあって,第4四半期だけで数千億円程度の赤字を見込んでいるという。

 次に,2008年度第3四半期の事業セグメント別の業績は,以下の通りとなる。

液晶テレビは赤字


 主力のエレクトロニクス事業の業績は,売上高が1兆4621億円(前年度同期比29.3%減),営業損益が159億円の損失(前年度同期は2006億円の利益)である。主な減収要因は,円高,世界的な景気後退に伴う事業環境の悪化,価格競争の激化だという。具体的な製品分野では,コンパクト・デジタル・カメラ,デジタル・ビデオ・カメラ,パソコンなどで大幅な減収となった。一方,Blu-ray Diskプレーヤーは販売台数が増加しており,前年度同期比で増収だった。また,前年度同期の為替レートを適用した場合の減収幅は,14%となっている。

 エレクトロニクス事業における主な営業損益悪化要因は,売上高の減少による影響と,ソニーの持分法適用会社であるSony Ericsson Mobile Communications社の投資損益の悪化。具体的な製品分野では,パソコン,コンパクト・デジタル・カメラなどで大幅な減益となったほか,液晶テレビは赤字だった。

 エレクトロニクス事業の営業損益の変動要因を見ると,全項目が悪化要因となっている。各項目の変動額は,「固定資産の減損・除売却損(純額)の増加」が1億円,「販売費・一般管理費の増加」が40億円,「原価率の悪化」が91億円,「持分法による投資利益の悪化」が453億円,「売り上げ減」が639億円,「為替」が942億円だった。これにより,2007年度第3四半期は2006億円の営業利益を計上していたのに対し,2008年度第3四半期は159億円の営業赤字に転落した。

ソニエリも低調


 Sony Ericsson Mobile Communications社の2008年10~12月期の連結決算は,売上高が2914ユーロ(前年度同期比22.7%減),税引前損益が256億ユーロの損失(同501億ユーロの利益)である。減収の主な要因は,景気後退による販売台数の減少。税引前損益悪化の要因は,販売台数の減少,利幅の大きい中・上位機種の販売構成比の低下,価格低下圧力,構造改革費用の計上などである。

PSPは「思ったほど売れなかった」


 ゲーム事業の業績は,売上高が3938億円(前年度同期比32.2%減),営業利益が4億円(同97.0%減)となった。主な減収要因は円高,ハードウエアの販売台数減少など。据え置き機の「PS2」「PS3」やポータブル機「PSP」の販売台数がいずれも前年度同期比で減少している。ソフトウエアに関しては,PS3用は増収だったものの,PS2用およびPS2が減収だった上,円高の影響もあり,ソフト全体で減収となっている。

 PS2とPSPのハードに関しては,2008年度通期の販売台数の見通しを下方修正する。2008年10月時点では,PS2は900万台,PSPは1600万台を見込んでいたが,それぞれ800万台と1500万台とした。そのうちPSPに関しては,2008年10月時点で1500万台から1600万台に上方修正していたのだが,「思ったほど売れなかったので見通しを元に戻すことにした」(同社業務執行役SVPの原直史氏)という。

 ゲーム事業の営業利益に関しては,PS3(ハード)のコスト改善があったものの,ユーロに対する円高,PS2やPSPに関する減収の影響などにより,大幅な減益となっている。