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 JVC・ケンウッド・ホールディングスは,2008年10月~12月期決算を発表した(PDF形式の発表資料1)。経営統合後,初めての決算は営業損益では黒字を確保したものの,純損益では赤字になった。売上高は1262億9000万円,営業利益が19億500万円,純損失は34億1200万円である。

 不況下で営業利益を計上したことに関して代表取締役会長兼CEOの河原春郎氏は「早期に構造改革に取り組んできた効果が表れた」と話す。日本ビクターは2007年5月に構造改革を発表(Tech-On!関連記事1),液晶テレビの国内事業縮小(同2),オーディオの販売機種の絞り込み,モータ事業からの撤退(同3),正社員の22%削減などを実施してきた。ケンウッドも2008年4月からカー・エレクトロニクスのOEM事業を縮小(同4),同年9月から生産拠点である長野ケンウッドにおいて100人規模の人員削減を進めてきた。

代表取締役会長兼CEOの河原春郎氏
代表取締役会長兼CEOの河原春郎氏 (画像のクリックで拡大)

 ただし,2008年秋以降の経営環境の悪化を受けて,JVC・ケンウッド・ホールディングスは2008年度通期(2008年4月~2009年3月)の業績予想を下方修正した(PDF形式の発表資料2)。売上高は前回予想から800億円引き下げて3200億円,営業利益は95億円引き下げて30億円,純損益は200億円引き下げて150億円の赤字とした。

追加構造改革,ビクターは国内工場を1カ所に

 JVC・ケンウッド・ホールディングスは収益改善に向けて追加で構造改革を実施する(PDF形式の発表資料3)。ビクターでは,液晶テレビ事業のさらなる縮小などに取り組む。開発面では,海外向け液晶テレビの自社開発を大幅に減らし,外部委託やODM(original design manufacturing:設計段階も含めた委託生産)などにより,外部調達比率を高める。あわせて,既存の液晶テレビ開発人員200人を,3次元表示やネットワーク対応などの次世代ディスプレイの開発に再配置する。

 生産面では,セキュリティ機器や音響機器などの業務用機器を生産する八王子工場の生産を終了し,横須賀工場に移管することで国内生産拠点を1カ所に集約する。横須賀工場では液晶テレビの生産減に応じた人員削減などを実施する。また,全世界の基板生産の前工程をタイ工場に集約し,海外工場のEMS(electronics manufacturing service)化を促進する。販売面では日欧米での販売拠点や人員を見直すとした。

 これらの施策に伴って,ビクターは同社グループ国内拠点の正社員の7%程度を削減する(PDF形式の発表資料4)。本社で350人,グループ会社で130人の早期退職者を募集する。なお,派遣社員に関しては「国内の液晶テレビ事業を縮小する中で既に大多数を削減した。今後は契約に従って対応する」(河原氏)とした。

ケンウッド,カーエレOEMをさらに縮小

 ケンウッドは,自動車の新車販売の急減に伴って需要が大幅に落ち込んでいるカー・エレクトロニクスのOEM事業を引き続き縮小する。開発・生産体制を販売量に見合う規模へ再編するとした。同社は2008年9月から長野ケンウッドで人員削減を進めてきたが,新たに100人規模で正社員を削減するという。

成長戦略は

 JVC・ケンウッド・ホールディングスは,今後の成長戦略として,景気の影響を受けにくい「パブリック・セーフティ」(政府や官公庁など向けのセキュリティ関連製品)などのB to Bビジネスや,次世代ディスプレイ,Blu-ray Disc関連製品などの新規分野に注力するとした。この方針の下,「事業開発部」の傘下に100人規模の「BDシステム部」を設け,「技術本部」の傘下に次世代ディスプレイの開発を促進する「商品開発部」を60人規模で立ち上げる。